ソフトバンク周東が断トツ、起用回数は信頼度の証? パ・リーグ代走ランキング
楽天ではドラ1・辰己がトップの10回、ロッテは岡が25回を記録
【楽天】
1位 辰己涼介外野手 10回
2位 オコエ瑠偉外野手 9回
3位 山崎幹史内野手 8回
4位 小郷裕哉外野手 6回
4位 三好匠内野手 6回(トレード)
楽天では、2018年のドラフト1位ルーキー・辰己が10回の起用でトップに立った。開幕から1軍入りを果たすと、4月に3回の代走起用を経験し、その後は先発に定着。約3か月間スタメンでの出場が続いたものの、8月に入ると4回の代走起用を経験するなど控えに回る機会が増えた。今季は、この回数を減らすことが、レギュラー獲得への物差しとなる。
その他では、シーズン途中に広島へトレードとなった三好は、短い集計期間にも関わらず6回の代走起用を記録。一方で、トップの辰己でも10回と、パ・リーグを見渡しても代走起用の少なさが目立つ結果となった。
【ロッテ】
1位 岡大海外野手 25回
2位 三木亮内野手 18回
3位 細谷圭内野手 13回
4位 加藤翔平外野手 12回
5位 三家和真外野手 4回
移籍2年目のシーズンとなった岡が、リーグ全体でも周東に次ぐ2位となる25回を記録した。昨季はそれに伴って盗塁数も増加。2015年に記録したキャリアハイ・18盗塁に迫る13個の盗塁を決めた。年々存在感を増す韋駄天は、今年もその脚でチームに貢献する。
2位の三木はシーズンを通して様々な役割をこなす中、開幕から間もない4月、そしてCS争いを繰り広げた9月に多くの代走起用があった。キャリアハイの盗塁数を記録したバイプレーヤーは、縁の下の力持ちとなってチームを支えていたと言えそうだ。
【日本ハム】
1位 杉谷拳士内野手 14回
2位 中島卓也内野手 12回
3位 平沼翔太内野手 5回
4位 石井一成内野手 4回
4位 谷内亮太内野手 4回
杉谷、そして中島は、ともに2018年シーズンから打撃成績を落とす結果に。控えに回る機会も増え、代走起用数もそれに応じて増えることとなった。新たな戦力の台頭もある中で、今季はその数を減らしていきたいところ。
一方で、3位、4位には伸び盛りの選手たちが並んだ。平沼は、昨季自己最多となる73試合に出場。プロ初本塁打も放つなど、今季の飛躍に向けて確かな経験を積んだ。石井一は、18年には1割台となった打率を.224とし、出場試合数も増加させた。ともに内野のレギュラーポジションを狙う存在だけに、今季はこのランキングにも大きな変動があるかもしれない。
【オリックス】
1位 佐野皓大外野手 16回
2位 後藤俊太外野手 8回
2位 小田裕也外野手 8回
4位 安達了一内野手 5回
5位 鈴木昂平内野手 4回
オリックスでは、野手転向2年目のシーズンとなった佐野が1位に輝いた。キャリアハイとなる68試合に出場した昨季は、持ち前の身体能力を生かして12盗塁を記録。プロ初本塁打も放ち、野手としての素質の高さを見せつけた。プロ入り後に野手転向を果たした苦労人は、今季さらなる飛躍を遂げることができるか。
同率の2位には、熾烈な外野手争いに臨む2選手がランクイン。ジョーンズの加入でポジション争いが激しくなる中、俊足を武器とする後藤、小田、さらにはランキング1位の佐野はどのようにアピールしていくか、注目だ。
パ・リーグ6球団の代走起用数を見てみると、「伸び盛りの若手」が起用されているケースと、「俊足が武器のバイプレーヤー」が活躍しているケースの2パターンが中心となっていることが分かった。今季は、各球団の代走勢力図がどのように変わっていくのか。「代走起用回数」の変化を観察することで、将来を担う存在の台頭をいち早く見つけられるかもしれない。
(「パ・リーグ インサイト」成田康史)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)