「長打率」と本塁打数の相関関係は? 鷹柳田はキング未経験も18年まで4年連続1位
鷹柳田は2015年から4年連続1位、現役通算でトップは西武中村
同年の本塁打王が長打率でもリーグトップに立ったのは、2010年のT-岡田、11年の中村、2014年のメヒアの3シーズン。13年を除いた全てのシーズンで本塁打王は長打率のリーグトップ5に入っており、その13年に本塁打王を獲得したアブレイユも僅差の6位と、それに準ずる数字を記録していた。それぞれしっかりとリーグ上位に食い込んではいたが、リーグトップには手が届かなかったというケースが多かった。
また、16年長打率1位の柳田と、19年に同じく1位の長打率を記録した森は、ともに同年の本塁打数ランキングではトップ10にも入っていなかった。どちらも球界を代表する好打者であることに疑いの余地はなく、本塁打の少ないタイプの打者というわけでもないが、やはり本塁打よりも打率や二塁打をコンスタントに稼ぎ出せる選手が有利になるケースは少なくなさそうだ。
その一方で、各選手の本塁打数を見てみると、20本塁打以上と水準以上の長打力を持った選手が多くなっていた。ただ、10本台の本塁打数でトップ5に食い込んだ選手も10人。そのうち半数は統一球が導入されていた2011年と2012年に記録されたものだが、リーグ1位の長打率だった16年の柳田選手が18本塁打にとどまっていたケースもあり、あくまで多くの本塁打が狙えればより有利だが、必須ではないと見るべきか。
個人の受賞回数に目を向けると、柳田が2015年から2018年まで4年連続でリーグトップの数字を記録している点が目につく。本塁打王を獲得した経験はないが、確実性、長打力、俊足と多くの塁を稼ぐために必要な能力を高いレベルで兼ね備えており、その才能を考えれば4シーズンにわたるタイトル独占もなんら不思議ではない。
次に、現役選手の長打率ランキングについても見ていきたい。結果と、各選手の成績は次の通りだ(4000打数以上の選手を参照)。
1位:中村剛也内野手
長打率.530 1664試合 415本塁打
2位:福留孝介外野手
長打率.495 1866試合 280本塁打
3位:松田宣浩内野手
長打率.476 1636試合 274本塁打
4位:丸佳浩外野手
長打率.465 1232試合 174本塁打
5位:浅村栄斗選内野手
長打率.462 1256試合 180本塁打
6位:糸井嘉男外野手
長打率.4571 1502試合 163本塁打
7位:坂本勇人内野手
長打率.4569 1670試合 223本塁打
8位:青木宣親外野手
長打率.455 1246試合 110本塁打
9位:秋山翔吾外野手
長打率.454 1207試合 116本塁打
10位:中島宏之内野手
長打率.452 1682試合 195本塁打
以上のように、中村が2位以下を大きく引き離してトップに立っている。通算の長打率が.500を超えているのは、現在の日本球界ではただ1人だ。長打率.500ラインに近い数字を残している福留をはじめ、2位以下にも実績十分の好打者たちが並んでいるが、通算本塁打は10人中6人が200本未満となっている。やはり、本塁打数の多さというよりも、二塁打や三塁打も含めた“塁を稼ぐ能力”が高い選手が多いと言える。