GG賞は守備で貢献した選手が選ばれているか? データと投票結果を検証【2018年パ編】
初受賞となった遊撃手の源田はUZRでも30.9という驚異的な守備指標をマーク
一塁手は中田が2年ぶりに受賞した。中田は失策3、パ・リーグでトップの守備率.998をマークしており、これが受賞の要因となったのだろう。一方で同ポジション平均の選手に比べて守備でどれだけ失点を防いだかを示す「UZR」は2.0。パ・リーグで600イニング以上守った一塁手の中で4番目の数字だった。西武・山川穂高が5.1でトップで、ロッテ・井上晴哉(4.6)、楽天・銀次(3.0)と続いている。ただ、山川はこの4人でワーストの14失策だった。
二塁手で選出された中村奨はUZR6.5と、指標の上でもパ・リーグトップ。三塁手の松田宣もUZR13.5と、こちらは12球団でダントツの数字を残しており納得の選出になっている。遊撃手では源田が初受賞。UZR30.9という驚異的な守備指標を叩き出しており、同郷の先輩である今宮健太からその座を奪い取った。
最後に秋山、柳田、西川が選ばれた外野手を見ていこう。3人ともが中堅手。中堅手のUZRでは西川の6.2がパ・リーグでトップ。柳田の2.1が3位、秋山の-1.2が4位だった。そして2位に入っていたのが楽天・田中和基。UZR5.5をマークしていた。UZRは同一ポジション内での比較ではあるが、中堅手以外に目を向けると、左翼手では楽天・島内宏明が17.3、日本ハム・近藤健介が10.2と抜きん出た数字を記録。右翼手でもソフトバンク・上林誠知が14.0、日本ハム大田泰示が13.3と高い数字を叩き出していた。
このように守備指標から見る守備のいい選手と、実際にゴールデングラブ賞に選ばれた選手を比較検証してみると、違いがあることが分かる。こうして、データも見ながら野球を見ると、また1つ楽しみが生まれるのではないだろうか。