「煤孫」「熊耳」「無徒」「赤見内」どれだけ読める? プロ野球“難読”選手たちの歴史
楽天の銀次、フルネームは赤見内銀次、筒香は和歌山県橋本市周辺に約10人と言う極めて珍しい苗字
○無徒史郎(むと・しろう)
関西大倉高から1963年南海入団。当時としては珍しい右投げ左打ちの内野手として活躍。一時期「史朗」と名乗る。1966年にはサンケイに移籍した。
○畝龍実(うね・たつみ)
広島出身。1988年NTT関東からドラフト3位で広島に。左腕投手として7試合に登板。引退後は広島の投手コーチとなる。2019年独立リーグ香川から息子の畝章真(うね・たかまさ)が育成3位で広島入団。こちらは右腕投手。
○於保浩己(おほ・ひろみ)
佐賀県出身、九州共立大から1998年ドラフト5位でロッテに入団した外野手。大型の左打者として期待されたが通算8安打に終わった。
○梵英心(そよぎ・えいしん)
広島出身。松坂世代の広島の正遊撃手として活躍したから、野球ファンならその名前を読むことができたが、2005年日産自動車から大学、社会人ドラフト3位で入団した当時は、「ぼん」「はん」などと誤読された。現在は社会人野球のコーチ。
○赤見内銀次(あかみない・ぎんじ)
岩手県出身。盛岡中央高から2005年、高校ドラフト3巡目で楽天に。入団早々、この年から就任した野村克也監督に「読みにくい」と言われ登録名を「銀次」にする。シャープな左打者として活躍中。プロでは一度も苗字を名乗ったことがなかった。
しかし、2013年台湾で行われた「2013 BASEBALL CHALLENGE 日本 VS チャイニーズ・タイペイ」では、フルネームで登録され電光掲示板に「Akaminai」と選手名が表示された。このとき日本人記者の間から「あかみない? 誰だ?」と言う声が上がった。
今季からレイズの筒香嘉智(つつごう・よしとも)の名前を読めない野球ファンはいないだろう。しかし「筒香」は、和歌山県橋本市周辺に約10人と言う極めて珍しい苗字だ。プロ野球の世界では、どんなレアな名前であれ、その選手が活躍すると「難読」ではなくなっていくのだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)