捕手に必要な“抑止力”という能力 12球団で最も“走らせない”捕手は誰か?

巨人・小林誠司(左)とソフトバンク・甲斐拓也【写真:荒川祐史】
巨人・小林誠司(左)とソフトバンク・甲斐拓也【写真:荒川祐史】

盗塁阻止率トップは巨人小林とオリックス若月だったが…

 捕手の見せ場の1つと言えるプレーが盗塁阻止だろう。チームがピンチになるか、走者を刺してその窮地から救うか。その瞬間、球場はワッと盛り上がり、視線が捕手に注がれる。

 捕手の盗塁について1つの評価の目安となるのが「盗塁阻止率」だ。相手チームに何度、盗塁を企てられ、盗塁をどれだけ刺すことかできたか。その確率が高ければ“強肩捕手”と称され、高く評価される。

 その一方で、捕手として高く評価されるべきものがある。それはいかに盗塁を企てられないか。走られて刺す、のではなく、走らせないという要素だ。相手チームに警戒させれば、その分走れなくなる。抑止力。それもまた捕手にとっては重要な要素となるだろう。

 では12球団の主力捕手の中で最も“走られない”捕手は誰なのか? もちろん盗塁阻止はバッテリーの共同作業で、投手のクイック能力等があってこそ、ではあるが、その上で「抑止力」という観点から捕手を見ていきたい。なお、パ・リーグは総盗塁数540、セ・リーグは総盗塁数429となっており、パ・リーグの方が、積極的に盗塁を仕掛けてくる傾向にあり、全体的にパ・リーグの方が数字が低くなっている。

 まず、セパ両リーグで昨季の盗塁阻止率が1位だったのはセ・リーグが巨人の小林誠司、パ・リーグがオリックスの若月健矢だ。小林が.419、若月が.371となる。それでは「抑止力」ではどうか。盗塁企図数や許盗塁数などはイニング数によって増えるため、1つの盗塁を企図されるのにどれだけのイニングがあったか、を基準として分析してみた。なお、守備の規定イニングに達している選手のみとした。

走者に走らせない「抑止力」では巨人小林とソフトバンク甲斐が優れている

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