「eBASEBALL プロリーグ」はなぜ生まれた? NPBとコナミの思いが一致した誕生秘話

NPBとKONAMIの想いが一致。1年もしないうちに企画が実現

 ここからは「eBASEBALL プロリーグ」が生まれるまでをたどる。まず、KONAMIがeスポーツへの取り組みを検討し始めたのは2015年だと谷渕氏は言う。

「その当時は、まだ日本ではeスポーツという言葉は(広く)知られていませんでしたが、海外事例を参考に手探りで取り組んでいきました」

 そのなかで、「パワプロフェスティバル2016(2016年)」、「パワプロチャンピオンシップス2017(2017年、NPB公認)」とKONAMIが独自にパワプロの公式大会を開催。そして2017年後半に、プロ化の構想が持ち上がった。2018年初頭には、NPBもeスポーツへの参入を検討していたこともあり、思惑が一致。2018年に共催という形で「eBASEBALL プロリーグ」を立ち上げることが決まった。

 リーグの設立には参加するプレイヤーはもちろんのこと、ルールも重要だ。パワプロの大会のノウハウを持つKONAMIがルール制定の主軸を担当。リーグを構成する12球団については、NPBが主だって動いた。

「ルールはこれまでの大会での経験をもとに、KONAMIがたたき台を作成し、NPBと意見交換しながら決めていきました。(リーグの)大枠については主催者となるNPBとKONAMIが協議して事前に方針を固め、12球団が集まる会議にて合意を得ておりました。各球団との個別の折衝は、NPBが主に行い、KONAMIがフォローしました」

 こうして2018年初頭から2018年7月までの半年ほどの短い間に、「eBASEBALL プロリーグ」の計画は進み、1年目が始まった。開催発表までに壁になったのは何か、という質問に対し、谷渕氏はこう答えた。

「開催発表に向けて、準備の時間は厳しかったですが、想定よりも順調に進みました。一方で、開催発表後の方が、多くの壁にぶつかっています(笑)」

 さらに大きなコンテンツへの成長を目指す「eBASEBALL プロリーグ」にとってリーグの開催はゴールではない。1年目、2年目を終えた今でも課題は山のようにあると言うように、まだ「eBASEBALL プロリーグ」は生まれたてで、これからのコンテンツだ。1年目のスタートは、「eBASEBALL プロリーグ」が競技として、そしてひとつのビジネスとして発展していく歴史の始まり。私たちは、時代の先端にいる。

(「パ・リーグ インサイト」丹羽海凪)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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