シーズンの行方を左右する? 故障から復活を目指すパ・リーグ球団の主力たち
楽天は昨季、則本昂と岸だけでなく田中和基も怪我で離脱
○楽天
2018年に投手タイトルを受賞した則本昂大投手と岸孝之投手の両右腕が、故障による長期離脱を余儀なくされた。チームは投手陣の大黒柱である2人を欠いた時期も奮闘してAクラス入りを果たしたが、実力と経験を兼ね備えた両投手がシーズンを通してフル稼働できれば、さらなる上位進出に追い風となる。則本昂は開幕戦を託され、首脳陣からの変わらぬ信頼を得ている。イニングを消化する能力の高い両雄の復帰は、他の投手の負担を減らすという面でも大きいはずだ。
野手では、2018年の新人王・田中和基外野手が骨折の影響で序盤から精彩を欠き、出場自体も59試合にとどまる苦しいシーズンを送った。俊足と強打を備えるスイッチヒッターが本来の打撃を取り戻せば、補強によって厚みが加わった打線の機能性向上も期待できる。打撃だけでなく守備の面でも高い貢献度が期待できる選手でもあり、シーズンを通して持ち前の溌溂としたプレーを披露してもらいたい。
○西武
投手陣では経験豊富な左腕として期待された内海哲也投手が、開幕前の故障の影響でシーズンを通して1軍登板なしに終わった。また、2018年に11勝を挙げて優勝に貢献した榎田大樹投手も同じく開幕前のケガでシーズン初登板が5月にずれ込み、13試合の登板で防御率6.52という不本意な成績に。左の先発が不足するチームにとっても、両左腕の復調はリーグ3連覇に向けた大きな“補強”になりうる。
野手に関しては規定打席に到達した選手がチーム内だけで8人いた事実が示す通り、主力選手の大半が故障することなくシーズンを戦い抜いた。リーグを席巻した強力打線の形成には、故障者の少なさが一役買っていた面も少なくはないだろう。連続フルイニング出場のパ・リーグ記録を持つ秋山翔吾外野手はチームを離れたが、今季も主力選手が大きな故障を経験することなくシーズンを戦い抜けるかに注目だ。
○ロッテ
プロ1年目の2017年はリリーフとして、2年目の2018年にはシーズン途中から先発として、それぞれ活躍を見せてきた有吉優樹投手。しかし、2019年は開幕ローテーション入りを果たしながら、4月下旬に手術を受けたことで、わずか2試合の登板にとどまった。涌井秀章投手とマイク・ボルシンガー投手が抜けたこともあり、実力十分の右腕が復活すれば、投手陣全体の負担軽減にもつながるだろう。
野手では2018年にプロ1年目から全試合に出場して遊撃手のレギュラーをつかんだ藤岡裕大内野手が、5月下旬から6月中旬、7月中旬から9月にかけてと、2度にわたって戦線離脱。その期間に空いたショートのポジションの穴を埋めきれなかったことが、チームがAクラスを逃す要因にもなった。81試合の出場にとどまった藤岡がシーズンを通して稼働できれば、チーム自体の戦いもそれだけ安定感を増すだろう。