「野球の考え方が変わりました」オリ救世主・鈴木優らを生んだ中南米リーグ
筒香はドミニカ共和国で「ミスを恐れない重要性感じた」
NPB球団からプエルトリコといえば、2011年にソフトバンク・柳田、13年にソフトバンク・東浜、16年に巨人・岡本が派遣され、飛躍への足掛かりとした例がある。
また、同じラテンアメリカのドミニカ共和国のウインターリーグには、2015年に当時DeNAの筒香嘉智外野手(レイズ)が参戦した。同年の筒香は、チームの主将で4番という重責を担ってシーズンを通して活躍し、さらに国際大会「プレミア12」の日本代表にも選ばれ全試合出場。その上、間髪入れずにドミニカ共和国行きまで志願した。球団を通して「1年前にドミニカ共和国を訪れた際、子供から大人まで野球に対して素直に楽しんでいるという印象を持ちました。真剣勝負の中でも野球を楽しむことの大切さ、ミスを恐れずに積極的にプレーすることの重要さを改めて感じました」と説明していた。
帰国直後、本塁打を放った際の談話には必ず「パララカイエ」(中南米で使われているスペイン語で『球場の外へ』の意味。本塁打を指す)と添えていたほどで、16年にキャリアハイの44本塁打、110打点をマークし初のタイトル(2冠)を獲得してみせたのだった。大リーグにも莫大な数の人材を輩出しているドミニカ共和国での経験が、自身のメジャー移籍にも結びついていることは間違いないだろう。
図らずも、筒香も鈴木も「野球を楽しむことの大切さ」を口にした。近年、NPBの選手は豪州、台湾のウインターリーグにも派遣されており、リーグによってレベルも雰囲気も違うが、こうして自身の野球観を大きく変えてしまうケースもある。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)