「取るべき態度ではない」中日捕手・マルティネスに専門家が指摘した行為とは?
評価できるポイントはキャッチング
一方で、「外国人捕手は腰高で、低めに構える場合に片膝をつく選手が多いが、マルティネスは2年間、2軍で経験を積んできただけあって、しっかりかかとを付けた状態で低く構えることができる。落ちるボールがワンバウンドになった時も、しっかり止めていた」と評価。「要は、他にも日本人の捕手がいる中で彼をレギュラーに育てようとするならば、いかに首脳陣が腹を据えて、辛抱強く教育しながら使い続けることができるかどうか。もちろんマルティネス自身にも、忍耐強さが求められます」と語る。2018年3月に育成選手として中日と契約し、今月に支配下登録されたばかりの24歳。まだまだ発展途上である。
ちなみに、1990年と91年にディアズが捕手として出場したとき、平野氏は西武の現役外野手として対戦している。「ディアズも感情がマスクをかぶっているような男で、僕が盗塁を決めた時や、僕が打ったファウルチップが彼の体を直撃した時には、怒りをあらわにしていました。ただ、投手や味方ベンチに対して不満そうな態度を取ることはなかった。ディアズの場合は、ゲームに集中する中で感情を爆発させていたのであって、集中力を欠くところが見えた今日のマルティネスと違うところです」と振り返った。
打者としてのマルティネスは、非凡さをうかがわせた。1回、2点を先制してなお2死一塁で、外角低め147キロのストレートを逆らわず、右中間フェンス直撃の適時二塁打。9回にはヤクルト6番手の左腕・寺島のカーブを右前に運ぶヒットを放つと、代走を送られてベンチに退いた。今季通算12打数6安打、打率5割をマークしている。平野氏は「広角に打とうとする意識が見えて、可能性を感じます。今後、相手に研究され内角を攻められたときに、体を開かずに打つことができるかどうか。それも実戦を通じて経験を積んでいくしかない」とみる。
29年ぶりに日本球界に現れたスタメン外国人捕手がレギュラーの座を獲得することができるかどうか。簡単ではないだけに、その挑戦の行方が大いに注目される。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)