分業制で多くなった? パ・リーグ規定投球回未満の“2桁勝利”を振り返る

西武のザック・ニール(左)と高橋光成【写真:荒川祐史】
西武のザック・ニール(左)と高橋光成【写真:荒川祐史】

シーズン2桁勝利のためには、多くの登板機会と投球回が重要となってくるが…

「シーズン2桁勝利」という記録は、投手にとっては大きな勲章の1つである。先発投手として2桁勝利を挙げた投手は、シーズン中の大半の期間をローテーション投手として過ごし、規定投球回にも到達していることがほとんどだ。登板数の多さや、1試合で投じたイニング数といった要素は勝ち投手の権利を得る確率にも繋がってくる数字であるため、こういった傾向が表れるのも当然と言えよう。

 しかし、当該シーズンに規定投球回に到達することなく、シーズン2桁勝利を記録した投手たちも過去には少なからず存在している。1試合平均の消化したイニング数が少なかった、シーズン中に離脱した期間があった、先発としてではなくリリーフとして勝ち星を積み重ねた……というように、投球回が少ないにもかかわらず2桁勝利を記録できた理由は、各投手によってさまざまだ。

 また、2017年には規定投球回到達者が13名いたものの、2018年には9名、2019年は6名と、その数は年を経るごとに減少傾向にある。球界全体で早めの継投策が多くなっていることがその背景にはあるだろうが、そういった事情は規定投球回未到達で2桁勝利を記録した投手の人数に、どのような影響を及ぼしているのだろうか。

 今回は、直近10年間のパ・リーグにおいて、規定投球回に到達することなくシーズン2桁勝利を記録した投手たちを紹介。その顔ぶれを確認していくとともに、そこから見えてくる傾向についても探っていきたい。

該当者の人数は、各シーズンごとに大きくばらつく

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