横浜スタジアムは打者有利、ホームなのに… DeNA“恵まれない”ノーヒットノーラン
本塁打が出やすく、打者有利と言われる球場でホームチームが…
今季のDeNAもロペス、ソト、オースティンの強力外国人トリオに首位打者経験のある宮崎敏郎、トップバッターとして復活した梶谷隆幸らを中心としたリーグ屈指の強力な布陣で“令和のマシンガン打線”と呼ばれている。22年ぶりのリーグ優勝を目指す今季、その打線が故障者で主軸数名を欠いているとは言え、同じヤクルトのエース格の投手にノーヒットノーランを喫した。
歴史は繰り返す、とは言いたくないが、幸いにも97年がシーズン終盤の天王山での試合だったのに対して、今季は新型コロナウイルスによる異例の短期間のペナントレースとは言え、まだシーズンの半分も消化していない49試合目での屈辱だった。2位に終わった97年の翌年は、チーム38年ぶりの悲願を達成した。特別措置で当時と同じクライマックスシリーズのない、ペナントレースのみが勝負の今季、残り71試合で屈辱をバネに、ラミレスDeNAは98年以来となる栄冠をつかみとる事ができるか。
ちなみに97年の石井一久以降、横浜スタジアムでのノーヒットノーランは、2000年のバンチ(中日)、2012年の前田健太(広島)、2013年の山井大介(中日)といずれもビジターのチームに記録達成を許している。今回の小川で2000年以降では4度目となり、同時期に3度で並んでいた東京ドームを抜いて、最も多くノーヒットノーランが達成された球場となった。本塁打が出やすく、打者有利と言われる球場で、しかもホームチームの方に不名誉な記録が残るのは、皮肉といえば皮肉な話と言える。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)