先発転向の楽天松井が今季初勝利 専門家が「野手がダレる」と指摘した投球の間合い
「先発はゆっくり投げていると野手がダレてしまう。リズムが生まれるようにするためにも」
松井はプロ1年目の14年こそ先発を務めていたが、15年以降は抑えを任され、絶対的守護神としてチームを支えてきた。野口氏は、抑えから先発への転向について「投手のタイプにもよるが、一般的には先発から抑えに転向するよりも難しい。ましてや、松井はプロでは先発の経験が少ない投手。ランニングの種類も変わるし、練習メニューも自分で見つけていかないといけない」と言う。1イニングを全力で投げるリリーフと、ペース配分を考えながら投球を続け、試合を作らなければならない先発。抑えから先発への適応が簡単ではない中、ようやくつかんだ白星だった。
だが、まだ先発としての改善点も残っているという。野口氏が指摘するのは、松井の投球の間合いの長さだった。
「クローザーの時は1、2点のリードの中でじっくり投げればいいが、先発はゆっくり投げていると野手がダレてしまう。この日の試合は連敗している中で、野手も負けられないという思いがあり、試合に集中していたが、あのテンポで投げていたら、そのうち野手が守備で足を引っ張ったり、打てずに点が取れないということになりかねない。チーム全体としてリズムが生まれるようにするためにも、間合いを短くしたほうがいい。そこが一番簡単に改善できるところですね」
この日は打線の大量援護もあり、一歩的な展開となったことで、試合の流れがロッテに傾くことはなかったが、今後、接戦となった時には同じようにいくとは限らない。松井がテンポのいい間合いで投球を続けていけば、今後、先発として白星を重ねていけるチャンスも増えてくるはずだ。
(Full-Count編集部)