「野球界全体で取り組む大切さを…」 プロ志望高校生合同練習会実施の意義と未来
初日を終え「自分の目標に向かって何とか挑戦していくという姿が見えた」
プロ入りを志望する高校球児がスカウトの前でアピールする「プロ志望高校生合同練習会」が29日、甲子園球場で行われた。初日を終え日本高校野球連盟の小倉好正事務局長は「NPBの方々、医療関係の方々、それから阪神甲子園球場の方々の色々なご協力のもとで、何とか天候にも恵まれて本日を迎えられた。正直なところホッとしているところでございます」と語った。
この日、参加したのは西日本エリアの球児計77人。A班、B班に分かれシートノック、フリー打撃などでプロアマ含めた計93人のスカウト陣にアピールした。
NPBと高野連がタッグを組んで実現した初めての試みとなったが「非常に我々の手の届かない色んな分野においても手助けしていただいて、やはり野球界という一つの組織の中でこういう形で我々も関わらせて頂いたというのは非常にいい経験ができました」と感謝の言葉を口にした。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け春夏の甲子園が中止。高校球児たちは実戦の場が減少し、アピールの場が縮小。この日はスカウトの前で白球を追い、自らの力を存分に披露する姿に「今日を迎えるにあたって準備もしっかりとやっていただいて、自分の目標に向かって何とか挑戦していくという姿が見えたので、そういう意味では良かったなという思いでいます」と振り返った。
日本学生野球憲章では原則として、現役選手や学生野球資格回復の講習を受けていないOBが高校生、大学生に指導することはできない。日本の野球界の課題でもある“プロ・アマ規定”などプロとアマの垣根を越え野球界全体を盛り上げていくことが求められている。
今回、NPBとの試みについての手応えを問われた小倉事務局長は「今後も何らかの形で野球界全体で取り組むという大切さを勉強させて頂いた。今後も色んな形でお願いに行くときが出てくるかもしれませんけども、またそういう意味でも繋がるんではないかなと思っております」と期待を込めた。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)