阪神が屈辱の9年連続巨人戦負け越し OB捕手も指摘する“実力以上の差”と2つの疑問

阪神・梅野隆太郎【写真:荒川祐史】
阪神・梅野隆太郎【写真:荒川祐史】

「2点ビハインドの5回の攻撃は、点を取りにいかなければならないところ」

「とにかく、丸に打たれることだけは避けたい場面だった。ストライクゾーンからボールになる変化球などで攻め、振ってもらえずに四球で歩かせるのはやむをえなかったと思う。ガンケルの持ち球を考えると、次の右打者の中島の方が勝負しやすかったかもしれない」とも。

 丸に打たれたのは、ボールにするつもりの釣り球が甘く入ったもの。一流の捕手は、失投の可能性も考慮しながら配球を組み立てるといわれる。野口氏は「そういう意味で、ガンケルがどういう時に失投しやすいかといえば、普段攻め慣れていない高めを狙った時でしょう」と分析。梅野にさらなる研究を求めた。

 この試合でもう1つポイントとなったのは、ガンケル降板のタイミングだった。今季は主に中継ぎで活躍してきたが、チーム事情により前回登板の9月26日・ヤクルト戦で3か月ぶりに先発。4回70球1失点でマウンドを降りていた。配置転換2試合目のこの日も、スタミナには不安があった。吉川尚に7号ソロを浴びて追加点を許し、今季自己最多の82球で5回を終えた時点で交代する手もあった。しかし、阪神ベンチはその裏の攻撃でもガンケルを打席に立たせ、6回続投を命じて、大城に決定的な9号3ランを浴びた。

 野口氏は「僕は、5回限りで交代した方がよかったと思います。結果的に6回に打たれたから言うのではなく、2点ビハインドの5回の攻撃は、点を取りにいかなければならないところ。1死走者なしではあったが、ガンケルに代打を送り、“攻撃に転じるぞ”という意思表示をしてほしかった」と見た。9年連続巨人戦負け越しは、単なる戦力差だけでなく、こうした細かい判断の積み重ねの結果なのかもしれない。

【動画】阪神OBも“実力以上の差”と解説した痛い敗戦 3日の阪神対巨人を動画でおさらい

RECOMMEND

CATEGORY