「覇気が出ていない」好機到来のはずなのに… ロッテ若手に専門家が感じた物足りなさ

ロッテ・藤原恭大【写真:荒川祐史】
ロッテ・藤原恭大【写真:荒川祐史】

ヤクルトで活躍し、ソフトバンクでコーチを務めた飯田哲也氏

■ロッテ 4-1 オリックス(7日・ZOZOマリン)

 主力が新型コロナウイルスの陽性判定を受けて大量離脱したロッテが、7日に本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦に勝利した。1番には期待の高卒2年目・藤原が、9番には2試合続けてソフトバンクから加入した22歳の内野手・茶谷が先発起用された。藤原は今季初先発初安打を放ったが、茶谷は無安打。昨年までソフトバンクでコーチを務めていた野球解説者・飯田哲也氏が首脳陣の目線で若手たちに求めたいことを解説した。

 大量入れ替え後、初勝利を収めたロッテ。チームにとってはピンチではあるが、昇格してきた若手にとっては大きなチャンス。飯田氏はどのようにハツラツとプレーをするのか気になったが、なかなかその様子を見ることはできなかったという。チーム事情で、良い状態で1軍昇格をしていないのは仕方ない。だが、もっと積極性を持ってもいいのではないかと感じた。

 初回先頭、藤原はオリックス先発左腕・アルバースの前に見逃し三振に倒れた。2球ストライクを見逃して、追い込まれた。1球ファウル、1球ボールで、1ストライク2ボールからの内角球に手が出なかった。2打席目は力のない投ゴロに倒れた。

「ダメでも、もっと振っていってほしかったという印象です。うまくやろうとか、ヒットを打とうという意識よりも、このチャンスをモノにするぞ!という気概が2打席目までには感じられませんでした。藤原も茶谷も覇気が出ていませんでした。もっと思い切ってやれよ、とってベンチで言われていたと思います」

 2回の左翼守備で藤原はジョーンズのフラフラと上がった打球を三塁の安田とお見合いし、二塁打にしてしまった。慣れない球場、緊張もあっただろうが、仕方ないでは済ますことのできないプレーだった。

「外野手としては(今季)初のナイターは怖いです。ZOZOマリンスタジアムの風、今季初の1軍スタメン、そしてナイター……乗り越えないといけません。昨年、チャンスを何度ももらっているので、自分が何とかしないといけない。首脳陣からすると、成長しているなと昨年から変わったところを見せて欲しい。昨年と同じだったり、楽しみだなと思えないと使えないと思います」

 第3打席ではそれまでとは違う藤原の表情が見られた。気持ちも吹っ切れたように、初球から思い切ってスイング。見事に右前へと今季初安打をマーク。第4打席ではしっかりと送りバントを決め、続く、中村奨のダメ押し犠飛につなげた。

「ああいう風に初球から振っていったら、結果がよくなるケースは多いです。ボールを見ていくよりも、振っていってわかることがあります。タイミングも図れます。見逃して、ストライクを取られると焦ってしまい、ボール球も振るようになってしまう。1番打者はどんどん振っていかないといけない。三振してもいいんです。ただ、三振の仕方がよくない」

 ヤクルトのリードオフマンとして黄金期を支えた飯田氏の“1番論”は積極性を失わないこと。藤原へは期待を込めて、そこを求めた。ただ3打席目で結果が出て、藤原はいい形で試合を終えることができたため、次戦への期待感が膨らむ。

茶谷は「応援したくなる選手」、ソフトバンクコーチ時代にファームで指導

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