「人生を左右する」育成契約か、新たな道か…元ロッテ・島孝明が選んだ選択
大学進学は野球一色だった自分を大きく変えてくれた
当時、漠然とした考えしか持っていなかった状況の中で、海外大学の選択肢があることを知り、曇っていた視界が一気に晴れ渡っていきました。
英語を学ぶことを決意した自分は、海外進学についてもっと詳しく知るためにネットで調べたり、様々な人に聞いて回りました。しかし、青春を野球に捧げてきた自分には、あまりにもハードルが高すぎることを思い知りました。
それでも、英語を諦められない自分は日本の大学を探し始めるのですが、時は既に11月、加えて高校卒業してから3年もブランクのある自分が、まともに受験をして受かる見込みはほぼないため、AO入試に限定して探すことにしました。しかし、7・8月の段階でほとんどの大学がAO入試を終えている状態でした。
知人から、順天堂大学の国際教養学部が12月14日にAO入試を行うことを教えてもらい、早速準備に取り掛かりました。しかし、不合格となり別の選択を迫られました。
実は、選手会から届いた資料の中には國學院大学の情報も入っていました。健康体育学科の募集で体育やスポーツについて学び、保健体育の教職員またはスポーツ指導者を目指すといった内容のものでした。
順天堂を不合格になった後、英語だけ学んでもその先に繋がることが限られてしまうのではないかと考えるようになりました。自分の可能性を広げることも大学へ行く目的の一つとしてありましたので、この國學院大の選択肢は自分にマッチしていると感じました。英語に絞っていた自分は当初、関係がないと見過ごしていたのですが、結果として最適な選択ができたと思っています。
現在は、中・高保健体育の教職課程を取りながら、英語の学習にも励んでいます。大学からの課題も多く、多くの時間を英語に使えるようにするには1日の時間をどう使うか常に考え効率的に取り組むことが重要になってきます。またその中で、良い成績を取るための工夫も忘れてはなりません。
野球一色だった環境を大きく変え、未知の世界を進んでいる最中ですが、誰も知らない自分の未来を切り開くものは「常に自分が正しいと思う決断」を繰り返すことではないかと思います。未来の自分が今の決断に後悔しないか、また後悔しないために今、どのような行動をするべきなのか。一度、自分自身との対話を通じて考えてみるのも良いかもしれません。
○……島孝明さんの連載は毎週火曜日にFull-Countで連載をしていきます。同じような境遇の選手や、プロ野球選手のその後を応援してくださるファンに届けばと思っております。島さんは10月26日に開催されるドラフト会議当日「Full-Count YouTubeライブ」(午後4時55分開始予定)にゲスト出演。高校時代、千葉大会で投げ合った早大・早川(木更津総合)ら同学年である大学生ドラフト候補の解説を行います。島さんの公式ツイッターアカウントは(@05410_n_)
(島孝明 / Takaaki Shima)