DeNAバッテリーが振り返る「会心の1球」 捕手・戸柱の「忘れられない球」とは?

同級生キャッチャーから見る守護神・三嶋の変化とは

 入団した年こそ、社会人を経験した戸柱より三嶋が3年早いが、2人は1990年生まれの同級生。それだけに包み隠さず意見を言える間柄でもあるし、互いに対する信頼も厚い。三嶋は今季途中からクローザーを任されるようになったが、戸柱は「頼もしくなった」と変化を語る。

「今年は、今まで以上にバッターをよく見るようになっていますね。バッターの反応や特徴について、前よりも踏み込んだ話ができるようになってきたと思います。三嶋に対しては任せっきりというか『このバッターはこれでいこう』って入り方を一言二言話せば、しっかり抑えてくれる。今までもしっかり準備をするピッチャーでしたけど、抑えという大役を任されるようになってから、今まで以上に打者を見ていると思いますし、メンタルの部分でも頼もしくなったって感じがしますね」

 捕手がバッテリーを組むのは、大勢の個性が違う投手たちだ。誰一人として同じ個性の持ち主はいない。打者の細かい情報が必要な投手、試合中でも冗談を言うリラックスムードが好きな投手、強めの口調で叱咤激励されるとスイッチが入る投手……。「自分の引き出しの1つとして、ピッチャーによって接し方は分けています」という戸柱が、コミュニケーションを取る上で大切にしているのが「聞く耳を持つこと」だという。

「ベイスターズは若い投手が多いので、自分の意見だけを100パーセントぶつけるのは辞めています。やっぱりコーチや先輩に言われたら、若い選手は『はい』くらいしか言えないじゃないですか。自分の意見はなかなか言いづらいと思うので、逆にこっちから『どんな感覚?』『あれはどうやった?』と聞いて、話をさせるようにしています。そうすると、普段は口数が少ないピッチャーほど、案外そういう時に『ちゃんとした考えを持っているんだな』と感じることがあるんですよ。だから、話しやすい環境を作ることが一番大事だと思います」

 人の言葉に耳を傾けることは、簡単なようで難しい。「僕は元々喋りたい、発言したいタイプなんで、メチャクチャ難しいですよ。聞き上手って憧れますよね」と笑うが、そういう努力もあるからこそ、会心の1球が生まれた時の感覚は格別なのだろう。

 戸柱が語る「会心の1球」を、はたして三嶋はどんな思いで投げたのか。(11日の後編に続く)

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(Full-Count編集部)

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