ホークス森とロッテ益田が歩んだ守護神への道 100ホールド&100Sを達成できた理由
ともに優秀な数字を記録しているが少なくない違いも
最後に、両投手がキャリアを通じて記録してきた通算成績を基に、セイバーメトリクスで用いられる各種の指標を紹介する。1イニングごとに走者を何人出したかを示す「WHIP」、自身がコントロールできる分野における能力を示す「DIPS」、奪三振を与四球で割って求める「K/BB」、出塁させた走者を生還させなかった割合を示す「LOB%」、9イニングを投げた際の四球数を示す「与四球率」、奪三振数を示す「奪三振率」、被本塁打数を示す「被本塁打率」の数字は、それぞれ上記の通り。
どちらの投手もWHIPは平均以上とされる1.25以内であり、与四球率も3点台未満、奪三振率も8以上と、揃って及第点以上の数字を記録。両者ともに指標の面でも高い力量を示していると言えるが、WHIP、DIPS、与四球率、奪三振率といった各種の数字においては、いずれも森のほうが優れた数字を記録していた。
中でも大きく差がついているのはK/BBで、益田と森の間には1.33という開きがある。WHIPの違いを見てもわかる通り、益田は森に比べて、走者を出しても粘り強い投球で後続を抑えてリードを守り切るスタイルとなっている。そういった投球傾向の違いが、K/BBの差にもつながっているか。
その一方で被本塁打率に関しては、益田の方が優れていた。走者を出しても大量失点にはつながりにくく、最終的にはリードを守り抜く粘り強い投球スタイルは、被本塁打率が優れているという長所によって成り立っている面も大きい。
ルーキーイヤーから中継ぎとして出色の活躍を見せ、現在はチームの守護神として安定した投球を続けている両右腕。そのキャリアの変遷や投球スタイルに少なからず違いはあるものの、ともにチームの勝利に数限りなく貢献してきた。リーグトップクラスのリリーフであるということに疑いの余地はないだろう。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)