日ハム近藤健介はどうやったら打ち取れる? データも“お手上げ”の弱点のなさ

近藤の年度別打席成績【表:PLM】
近藤の年度別打席成績【表:PLM】

今季のOPSは.934…超一流の打者の領域に

 その一方で、直近4シーズンにおける四球率はすべて.150を上回っている。とりわけ脅威的なのが2017年。実に4打席に1度以上の割合で四球を選んでいたことに。今季の四球率も.1905と、およそ5打席に1回に近い割合で四球をもぎ取っている計算になる。

 近藤は打順としては3番打者を務めることが多く、四球で出塁して後続のポイントゲッターにつなぐ打席も多い。だからこそ、状況を冷静に見極め、2ストライクから際どいコースの球を見逃し、三振のリスクを負う判断を行うことも少なくはない。

 それにも関わらず、直近4シーズンで3度、四球率が三振率を上回っており、チームへの貢献度の高さを物語っている。

 また、OPSも2015年以降の5度、一流打者の基準とも言える.800を超えている。中でも2017年には、OPS1.124という驚異的な数字に。今季は長打率の面でも例年に比べて数字を伸ばしており、OPSも.934と超一流の打者の領域に近づいてきている。

 また、IsoDでも2017年以降は4年連続で.100を上回り、選球眼の良さが表れている。2017年以降はいずれも打率.300を上回っているにもかかわらず、さらに.100以上も高い出塁率を記録し続けていることになる。早打ちせず、じっくりとボールを見極めながら安打と四球を量産する打撃スタイルが簡潔に示された項目と言えよう。

近藤のコース別打率【表:PLM】
近藤のコース別打率【表:PLM】

 続けて、今季の近藤が記録している、投球コース別の打率についても見ていきたい。

 唯一真ん中高めのゾーンは苦手としているが、それ以外のストライクゾーンの関しては打率.290以上を記録。中でも、低めのコースはいずれも打率.400前後の数字を叩き出している点が驚異的だ。それでいて、外角高めのストライクやボールゾーンの釣り球、外角高めに大きく外れる球に対しても打率.400以上で、高めを苦手にしているという気配もない。

 低めへの強さは、ストライクゾーンに限ったものではない。ボール球でも、5つのゾーンのうち4つで打率.333以上を記録。本来リスクが低いとされやすい低めのゾーンだが、近藤に対しては結果球として用いるのは厳禁と言えよう。

 内角に対しては.300以上と内角攻めも苦にせず、ど真ん中の甘い球に対しても逃すことなく対応。外角に対しても全て打率.290以上と良い成績を残しているだけに、唯一の弱点と言っていい真ん中高めを克服することができれば、さらなる成績の向上も見込めるかもしれない。

 真ん中高めという明確な弱点は存在するものの、ストライクゾーンの内外で得意なゾーンを数多く持つ近藤。バッテリーにとっては打ち取るための組み立てが難しいと言える。多くの四球を記録しているのは、選球眼に加えて相手が慎重な攻めをせざるを得ないほどの弱点の少なさも手伝ってのことかもしれない。

フォーク以外の全ての球種に対して打率3割以上…抜群の対応力

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