西武・栗山巧の凄さを徹底検証 通算2000安打へ屈強な身体に選球眼、少ない三振数
冷静にボールを見て四球を選ぶことが多く、それでいて三振数は少ない
シーズン本塁打は12本が最多と、長打の数自体はさほど多くないこともあり、OPSの面では.830を超えたシーズンは1度もなかった。それでも、1軍に定着した2005年から2016年まで12年連続でOPS.720を超えており、やや不振に陥ったシーズンであっても一定以上の貢献度を示し続けてきたことが、指標の面にも表れているといえよう。
ただ、2017年と2019年はOPS.680台に終わっており、これまでのキャリアの中でもとりわけ苦しんだシーズンといえた。それでも、今季は2013年以来7年ぶりにOPSを.780台まで戻しており、指標の面でも復活の兆しを見せている。
OPSと同様の傾向は、三振率にも表れている。最多安打を獲得した2008年には612打席に立って三振率.0996という素晴らしい数字を記録しており、2005年以降はキャリアを通じて三振率が.200を超えたことはなかった。しかし、2018年からは2年連続で三振率.215と、栗山にしてみればやや高い数字となっていた。今季はその三振率も.100台に戻しており、打席内容が向上していることがうかがえる結果となった。
先述した通り、栗山の選球眼の良さはかねてから評価の高い。四球率が.100台を超えたシーズンもキャリアを通じて11度あり、IsoDが.100を上回るシーズンも5度存在。四球を選ぶ確率の高さは、選球眼の優劣を示す指標にも表れている。
2017年以降は各種指標の面でも苦戦の跡がうかがえるシーズンが続いていたが、四球とIsoDに関しては、2017年を除いてそれぞれ一定以上の数字を維持していたことがわかる。選球眼という面においては、年齢を重ねてからも一定以上の能力を保ち続けていると言えそうだ。