MLB通算282発&54勝、162キロ右腕…8年連続日本一のパ・リーグで活躍した助っ人は?
オリックスはMLB通算282本塁打のアダム・ジョーンズを獲得も…
○ロッテ
楽天から移籍してきたフランク・ハーマン投手は、開幕から勝ちパターンの一角を担う。7回または8回を任されるセットアッパーに定着し、僅差の試合を確実に拾うチームの戦いぶりを支えた。9月15日の西武戦後に利き手の負傷が判明し、戦線離脱を余儀なくされたが、シーズン終盤に復帰。チームの2位躍進に確かに貢献した。
シーズン後半の9月に電撃入団したチェン・ウェイン投手は、言わずと知れた元中日の左腕エース。日米通算95勝の輝かしい実績をひっさげ、9年ぶりの日本球界復帰となった。しかし、登板した全試合でクオリティ・スタートを達成するも白星はつかず。11月15日に行われたソフトバンクとの「パーソル CS パ」第2戦では先発に抜擢されたが、3本塁打を浴びて負け投手となった。
入団時は育成契約だったホセ・フローレス投手は、3月に支配下登録される。初登板・初先発となった7月12日の西武戦で3回6失点を喫するなど苦戦したが、2軍降格を経て10月の再昇格以降は、ロングリリーフ要員に定着した。
○オリックス
タイラー・ヒギンス投手は、山岡泰輔投手の負傷により、急遽6月27日のロッテ戦で来日初登板を迎える。同点の9回無死一、三塁という局面だったが、満塁策で敬遠した後、打者3人を打ち取って見事無失点で切り抜けた。その後も、9月終了時点で防御率1.74を記録するなどセットアッパーとして奮闘し、最終的にはチームトップの19ホールドを挙げている。
MLB通算282本塁打を誇る“正真正銘の大物メジャーリーガー”として、大きな期待を集めたアダム・ジョーンズ外野手。8月に5本塁打、9月に日米通算2000安打と随所で存在感を見せるものの、ゴールドグラブ賞4度の外野守備も精彩を欠き、攻守で本領発揮とはいかないままシーズンを終えた。アデルリン・ロドリゲス内野手は7月10日の日本ハム戦でサヨナラ3ランを放ったが、ジョーンズと同じく日本球界への適応に苦しみ続けた。
○ソフトバンク
MLB通算54勝の実績を持ち、2013年にはオールスターにも選出されているマット・ムーア投手は、貴重な左の先発として開幕ローテーションに名を連ねる。約2か月間の故障離脱に見舞われたものの、復帰後は11試合で6勝と存在感を発揮。シーズン終盤のチームの快進撃に貢献した。
シーズン60本塁打の日本記録保持者のウラディミール・バレンティン外野手は、野球ファンなら誰もが知る元ヤクルトの主砲。昨季も33本塁打を記録していたこと、ジュリスベル・グラシアル外野手とアルフレド・デスパイネ外野手の来日が遅れていたことで、ファンや首脳陣からは当然大きな期待を寄せられていた。しかし、なんと打率1割台、本塁打も1桁と絶不調。8月中盤以降は1打点も挙げられず、シーズンを終えてしまった。
今季は、MLBで長年にわたって一線級の活躍を見せたオリックスのジョーンズ、日本球界で圧倒的な実績を誇るソフトバンクのバレンティンといった大物野手が、思わぬ苦戦を強いられた。一方、日本ハムのバーヘイゲンやソフトバンクのムーアなど、及第点以上の成績を残した選手は比較的投手が多い。
即戦力としての働きを期待されているため、毎年多くの外国人選手が来日し、そしてわずかな期間で離れていく。そんな中で、各球団1名以上は来季につながる活躍を見せた今季は、前評判とはまた違った形ではあるものの、外国人選手の豊作年と言えるかもしれない。彼らは今後も持ち前のパワーや技術を生かし、頼もしいプレーを継続することができるだろうか。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)