“古田2世”と呼ばれた元捕手が歩む第二の人生 なぜ自然食材のカフェを開いたのか?
かつて同僚だった上田剛史の引退に思い「縁の下の力持ちという存在」
――上田選手は、チームの精神的な支柱となるような選手でした。
「剛史のような、試合に出ていない中で縁の下の力持ちという存在は選手の士気が上がるんです。連敗している時なんかは特に連鎖するんです、ベンチも声が出なくなって。そんな中でどんな時も『まだまだこれからだ! 行くぞ!』といったような声を出してくれる選手がいると、上がるので本当に大事です。目に見えない所かもしれないけれど、間違いなく大事です。心の支えになるというか。じゃ次そのポジション誰がいるのかというのは(ヤクルトの場合)わからないですけど、間違いなく大切です」
――米野さん自身は17年間プレーし、2016年に引退されました。野球とは全く異なる道に進まれ、お店を開いてもう4年ですか?
「そうですね。まだ、たった4年です。それまで17年間野球をやって、雇ってもらっていましたが、今は自分たち主導で、色んなものを興してやっていかないといけない。結構、自分自身もお店の業務に入ることになったし、本当にいろいろ大変なんだなと感じました。いい経験です。野球以外の経験が少ないので、とりあえずこれからもいろんなことをやってみようと思ってます。感覚としては今はまだ、高卒4年目って感じです。僕は、プロに入って高卒4年目ってめちゃめちゃショボかったんです。ほんとそんな感じです(笑)」
――そんな中で今後も“食”は軸にしていきたいですか?
「そうですね。みんなに欠かせないものだし、大事だし、気にしなきゃいけないことだから。健康って大事じゃないですか。健康じゃないと仕事もできなくなるかもしれないし、パフォーマンスも下がってしまうかもしれない。仕事って人生で長くやらなきゃいけないものだから。その意味では、大切にしたいのは食事と睡眠です。これが健康の基本だと思うけど、今の人たちは難しいですよね。働きすぎだし、運動する時間もないし。時間があってもその前に疲れてしまって。仕事をたくさんしている人が素晴らしいという日本ではそういう人が多い。健康でいられるライフスタイルを提案していく仕事をしていきたいです」
――輸入事業も始められたんですよね。
「全粒オート麦からつくられる植物性のミルク、オーツミルクの輸入事業を始めました。自分もそうなのですが、日本人は牛乳が体に合わない人も多いんです。だからそれに代わるものや、その他のいいものがスーパーに並んでいて欲しいと思うし、流通させたくて。大きなことを言っていますけど、このカフェを始めてから、世界はこういう方に向かっているなと感じています。無理に全ての食生活を変えるとかではなく、できることから取り入れてもらう。そして、まずは知ってもらえるきっかけ作りができたらと思っています」
(新保友映 / Tomoe Shinbo)