ロッテ、なぜ得失点差-18で2位躍進? 快進撃を可能にした投手運用の“管理力”

ロッテ・澤村拓一、ハーマン、益田直也(左から)【写真:(C)PLM】
ロッテ・澤村拓一、ハーマン、益田直也(左から)【写真:(C)PLM】

2019年は、概ねピタゴラス勝率の予測に基づいたシーズンとなっていたが…

 野球を分析する際に用いられる指標の一つに、「ピタゴラス勝率」というものがある。この指標は、統計学的な法則から勝率を予測するもので、「(チーム総得点の2乗)÷(チーム総得点の2乗+チーム総失点の2乗)」と比較的簡易な計算式で示される。

 実際の例として、2019年のパ・リーグにおける各球団のピタゴラス勝率と、実際の勝率をそれぞれ見ていきたい。

19年パ6球団の成績とピタゴラス勝率【写真:(C)PLM】
19年パ6球団の成績とピタゴラス勝率【写真:(C)PLM】

 多くのチームにおいて、ピタゴラス勝率と実際の勝率はある程度近い数字となっていたことがわかる。ただ、ソフトバンクはピタゴラス勝率ではリーグ4位ながら実際の勝率は.551と高くなっており、予測以上の力を発揮していたと考えられる。また、ロッテはピタゴラス勝率では勝率5割を超えながら実際の成績は負け越していた。

 2019年の勝率は予測に近い結果となっていたが、続く2020年のパ・リーグにおいては、やや趣の異なる結果となっていた。その数字は下記の通りだ。

20年パ6球団の成績とピタゴラス勝率【写真:(C)PLM】
20年パ6球団の成績とピタゴラス勝率【写真:(C)PLM】

 ソフトバンクと日本ハムは予測に近い値だったが、それ以外のチームにおいては少なからず差異が見られた。2つの勝率の間に.062という最も大きな差が生じていたのは西武だが、ピタゴラス勝率では負け越しながら実際には3つの貯金を作ったロッテと、逆に勝ち越しながら実際は負け越した楽天も、それぞれ予測に反するシーズンを送ったと言える。

得失点差はマイナス18でも、シーズン成績は3つの勝ち越し

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