苛立っても、涙を流しても… 広島ドラ3大道が入学前から監督室に通い詰めた理由

現在DeNA・蝦名のバットを1打席で3度も粉砕した

 6試合で4勝を挙げた秋には志願の連投をしている。青森大との1戦目に先発したが、2回1/3で降板。毎回、先頭打者にヒットを許す苦しい投球だった。

 正村監督に「リベンジしたいみたいですよ」という情報が届き、宿舎で呼ばれた。「どうするんだ?」との問いに「明日も行きます」と答えた。「自分の力を出しきれずに打たれた」と後悔が残っていたからだ。

 その翌日、前日は外角を打たれたからと一転して内角を攻め、相手打者のバットを7本も折った。そのうちの1人は、現在DeNAの蛯名達夫外野手で、1打席で3本も粉砕した。

「まだ三振に興味がなくて、バットを折れたのがめちゃくちゃ嬉しくて」といたずらっ子のように笑う大道。結局、2失点(自責1)完投でリベンジ。「これまでも本人が『行きたい』と言って投げさせたことはありますが、いい結果が出ていないことが多かったと思いますよ。でも、この時は抑えてくれた」と正村監督。1年時は投球フォームを作りながら試合経験を積んでいった。

 スライダーの膨らみが大きかったため、正村監督からはカットボールを教わった。「切るようにして、人差し指で投げろ。中指を使うとボールとの接地時間が長くなって曲がりがでかくなる」という教えが「ハマった」。それでも「試合でちゃんと投げられたのは、4年の秋くらい」。何事も“ローマは一日にして成らず”である。

 大道の変化球はどれも速かった。「抜けないんですよ。引っかかって、速い球になってしまう。でも、とにかく腕がよく振れていた」と正村監督は評する。一長一短。2年春にはチェンジアップを使うように指令が出たが、これも速かった。一筋縄ではいかないが、試合は待ってくれない。2年春のリーグ戦は5試合で4勝、秋は8試合で4勝と実績は重ね、3年の春に運命を左右する試合を迎えることになる。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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