2年連続最下位、今季のオリックスを振り返る 山本、田嶋が規定到達も…【投手編】

経験を糧にベテランも奮闘、技巧派右腕は再び0点台の領域へ

 11年目、37歳のシーズンを迎えた比嘉幹貴投手は、2014年以来となる防御率0点台(0.71)を記録。失点は10月15日のソフトバンク戦で浴びた本塁打による自責点1のみと、驚異的な安定感で救援陣を支えた。球威こそ往年の勢いとはいかないものの、急ブレーキのかかるスライダー、時に90キロ台を記録するカーブを使った緩急自在な投球は未だ健在。20試合、12回2/3という投球回以上の存在感を示した。

 昨季から救援に転向したディクソンは、来日8年目を迎えた今季も守護神の役割を全うした。6月23日のロッテ戦では2失点でサヨナラ負けを喫するなど、星のめぐり合わせもあり今季初セーブは7月4日の西武戦。8月中旬には西武、ソフトバンクを相手にセーブ失敗が続くなど苦しい時期もあったが、シーズン終盤にはチームの好調に乗じてセーブを重ね、最終的に16セーブでシーズンを終えた。来季には日本球界9年目、36歳と球界でもベテランの域に差し掛かる右腕は、変わらぬパフォーマンスでチームを支えてくれることだろう。

 ブルペン陣を中心に昨年とは大きく顔ぶれが変わることとなったオリックス投手陣。先発も山岡の離脱などでなかなか戦力が整わなかった。しかし、田嶋や宮城など新戦力の台頭、ベテラン・増井の配置転換など、先発陣は試行錯誤の末にようやく形が見えてきた。救援陣も山田の活躍を筆頭に、ヒギンス、あるいは漆原大晟投手や富山凌雅投手が各々存在感を示し、守護神・ディクソンらベテランとともにシーズンが進むにつれて徐々に見通しが立ってきた。山本、山岡を中心とした投手力は決して他チームに劣らないオリックス。チームの巻き返しに向けて、来季はさらなる奮起に期待がかかる。

(「パ・リーグ インサイト」成田康史)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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