4年ぶりAクラスのロッテ エース候補を欠くも勝利の方程式を確立【投手編】

ロッテシーズンレビュー2020【画像:パーソル パ・リーグTV】
ロッテシーズンレビュー2020【画像:パーソル パ・リーグTV】

種市篤暉にはエースの期待がかかったが…

 2017年以降、3年連続Bクラスに甘んじていたロッテ。球団設立70周年の節目となる今季は積極的な補強を敢行し、開幕スタートダッシュに成功する。8月には単独首位に浮上し、ソフトバンクとシーズン終盤まで熾烈な優勝争いを繰り広げた。最終的に14ゲーム差をつけられての2位に終わったものの、4年ぶりのAクラス入りは下馬評を覆す好成績だ。本記事は投手を中心とした前編、野手を中心とした後編に分けて、各選手にフォーカス。パーソル パ・リーグTVの特集動画「シーズンレビュー2020」とともに、ロッテの2020年シーズンを振り返っていく。

 昨季、規定投球回に到達した投手がいなかったロッテ投手陣。その中で、チーム最多タイの8勝を挙げたのは、4年目の種市篤暉投手だ。今季は大きな期待をかけられて開幕ローテーションに入ると、7月25日の西武戦で今季のパ・リーグ一番乗り&プロ初となる完封勝利を果たす。しかし右肘手術のため、8月1日の楽天戦を最後に登録抹消。チームはエース候補を欠いた状態で、厳しい夏場を迎えることとなった。

 今季のロッテ先発陣を率いたのは、なんといっても楽天からFAで新加入した美馬学投手だろう。開幕3戦目のソフトバンク戦で移籍後初登板、初勝利を飾ると、8月11日の北海道日本ハム戦からは7連勝をマーク。夏場の厳しい時期にもエースとして奮闘し、終わってみれば自身3年ぶりとなる2桁勝利を達成した。

 美馬の武器は独特の軌道を描く横回転のフォークをはじめとする多彩な変化球を操り、ストレートとの組み合わせで打者を打ち取る投球術だ。防御率は3.95と比較的高めの部類に入りながらも、与四球は規定投球回に到達した投手の中でもっとも少ない25個。テンポの良さが打線の援護をもたらす好循環を生み、白星を積み重ねたと言えるだろう。

無類のホークスキラー・二木康太

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