ロッテ安田は“本物の4番”に成長できるか? 向上した変化球の対応と見つかった課題

走者の有無によって打率には大きな変化が

 続けて、塁状況別打率を見ていこう。走者なしが打率.160、走者ありが打率.285となっており、走者ありを細分化すると、走者一塁が打率.329、得点圏が打率.256という数字だった。このように走者がいない場面での打率はかなり低くなっていたものの、走者が1人でもいれば、その打率は.125も上昇。また、得点圏よりも走者が一塁にいる際の数字のほうが高く、その打率は.329と高水準に達していた。

 昨季のロッテは機動力を生かした攻撃を行うケースも多く、一塁走者がバッテリーに揺さぶりをかける中できっちりと狙い球を仕留めることができているこの傾向は、チームの主軸として頼もしい要素と言えるだろう。得点圏での打率もシーズン打率に比べて.035高く、4番に必要な勝負強さという点では、一定のものを示していた。

 その一方で、走者がいない際の打率の低さは気になるところ。当然ながら、初回が3者凡退で終わった場合は、続くイニングは走者なしの状況で4番からの攻撃が始まる。すなわち、今後も4番の座にとどまるためには、自らがチャンスメークを行うべき局面でも結果を残せるかが、重要になってくることだろう。持ち前の選球眼が生きる分野でもあるだけに、来季以降はこの課題を克服していってほしい。

重圧に負けず、常に自分のバッティングを貫けるか

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