ロッテ安田は“本物の4番”に成長できるか? 向上した変化球の対応と見つかった課題

重圧に負けず、常に自分のバッティングを貫けるか

 また、アウトカウント別の数字についても見ていくと、0アウト時の得点圏打率が.375、1アウトの得点圏打率が.289であるのに対し、2アウトの得点圏打率は.206と大きく落ち込んでいた。すなわち、比較的プレッシャーのかからない場面では勝負強さを発揮できているものの、チームにとってもそのイニングではもう後がないという状況になると、一転して数字を落としているということになる。

 自分が凡退したらチャンスが潰えるという場面でも、必要以上に気負うことなく自分のバッティングができるかが、もう一つの課題となってきそうだ。チームの主軸には単なる技術面のみならず、メンタル面でも高いレベルの安定性が求められる。来季以降はその重圧に負けることなく、あらゆる場面で自分のバッティングを貫けるようになれば、その存在はチームにとっても、より頼もしいものになるだろう。

 昨季記録した殊勲安打の数は16本で、チーム内では井上晴哉の18本に次ぎ、レオネス・マーティンと並んで2位の成績。内訳は先制打9、同点打3(うち1本塁打)、勝ち越し打3(うち1本塁打)、逆転打1となっていた。

 初回に先制のチャンスで打席に入る4番を務める機会が多く、先制打が9本と頭一つ抜けて多かった。同点打と勝ち越し打はそれぞれ3本、そのうち1本が本塁打と、この2つは全く同じ数字に。

 その一方で、逆転打はシーズンを通じて1本のみだった。同点打に比較して逆転打の数が少ない理由としては、チーム全体の打率が低く、塁状況を考えても2打点以上を挙げるチャンスがそこまで多くはなかったことや、安田自身の長打率がそこまで高くなかったことが考えられるだろうか。複数の打点を一度に稼ぐためには長打、特に本塁打の数が重要になってくるだけに、来季はさらなるパワーアップに期待したい。

得意な球種と苦手な球種、その傾向とは?

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