「何も確証がなかった」緊急渡米 有原航平が感じた“揺れた移籍市場”1か月の裏側

大学時代からの憧れを胸に有原航平は海を渡る【写真:荒川祐史】
大学時代からの憧れを胸に有原航平は海を渡る【写真:荒川祐史】

大学4年の春、有原は全米の強豪大学を抑え込んでいた

 メジャーに初めて憧れたのは、早稲田大学4年生の春だった。ロサンゼルス遠征で多くのメジャーリーガーを輩出する強豪のUCLAを相手に完投勝利を収めた。硬いマウンド、独特なボールを苦にするどころか、操っていた。

「最初は『こんなところがあるんだ』くらいしか思いませんでした。帰ってくると変化が生まれました。アメリカの雰囲気はもちろん、粗削りだけど、打者のパワーもすごい。当てに来る感じがないし、ブンブン振ってくる。それが、純粋に面白かったです。ドラフトの頃には『日本で結果を残して、いずれは』という夢になっていました」

 ドラフト会議当日の会見で憧れを口にしてから約6年。行きの機内では不安しか入っていなかったスーツケースに大きな夢を詰め込んで、有原は帰国の途についたのだった。今度はその夢を大きなものにするための、挑戦が始まる。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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