シーズン78盗塁や“昭和の柳田悠岐”も? 70年前の「パ初代ベストナイン」が凄い

「パ・リーグ設立70周年特別企画」紙面でたどるパ・リーグ1950
「パ・リーグ設立70周年特別企画」紙面でたどるパ・リーグ1950

「火の球投手」の荒巻淳投手はシンカーを身に付けて速球派から本格派へ

 パ・リーグ創設70周年を記念してお送りする特別企画。日刊スポーツよりご提供いただいた紙面を参考に、全10回で当時のパ・リーグを振り返る。また、野球殿堂博物館の井上裕太学芸員より当時についての詳細な解説もいただいた。

 第8回では、70年前の「パ・リーグ初代タイトルホルダー」を取り上げた。第9回の今回は、前回に引き続きパ・リーグ初年度の「ベストナイン」について当時の日刊スポーツ紙面を参考に振り返っていく。

 まずは、ベストナインを獲得した選手について紙面上の記述を手掛かりにどのような選手だったのかを紐解いていきたい。非常に詳細な記述がなされており、今では歴史上の人物となった存在でも、その選手像が見えてくるはずだ。

○投手:荒巻淳(毎日)
48試合26勝8敗 274.2回 150奪三振、防御率2.06

 日本一に輝いた毎日のエースとして活躍した「火の球投手」で、この年は最多勝と最優秀防御率の2冠を獲得。凄まじい成績であることは一目瞭然であるが、この数字をルーキーで記録したのは驚きだ。アマチュア時代から直球が武器の投手だったようだが、紙面ではシュートとシンカーを習得したことも飛躍につながったことも指摘されている。

 シンカーと言えば、昨季は楽天・涌井秀章投手が小山伸一郎投手コーチからシンカーを伝授されたことで復活を果たしたことも記憶に新しい。紙面上には「今季のピッチングだけで最高のものと断ずるのは危険であろう」という記述があるように、ルーキーだったこともあり今後の活躍がまだまだ未知数という見方があった。荒巻は期待に応え、通算173勝を記録する大投手に成長することとなる。井上さんは荒巻投手の実力はもちろんのことながら、毎日の強力打線についても注目する。

通常は投手は1人ながらも紙面上にはさらに2人の投手の名前が…

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