「なぜ交代にならない?」と疑問抱いた少女 父の答えで視点変わった「監督女子」の生態
野球女子古参が気になる勝ち負けの「中身」
野球ファン古参だからこそできる野球の楽しみ方を、監督女子は知っている。おそらく毎年、誰よりも充実した「開幕前」を過ごしているのが彼女たちだろう。
もちろん、開幕以降も監督女子の観戦は猛烈に充実している。個とチーム、この二つの成長に眼差しを向け続ける監督女子にとって、試合は「ただ勝てばいいわけではない」。
例えば、点の取り合いになるなど試合が“壊れた”ケースが時に存在する。両軍のディフェンス力が崩れたり、一方が大量得点するワンサイドゲームもそう。守備力の低さから四死球、失策、そして失点につながり、ワケのわからない展開になってしまうのが特徴の一つだが、監督女子はこのような展開を好まない傾向にあることが、ゆゆの話からわかった。
「細かいことだけれど、先頭打者を簡単に出さない、サインミスをしない、ノーアウトで得点圏に走者がいるときに確実に1点を取る、みたいなことが大事」とゆゆは、高校野球の監督バリの野球観を語る。チームが成長するためには、勝った、負けたの大雑把な結果だけでなく、その過程に目を向けることが大切なのだと監督女子は知っているのだ。
最後に。昨年度まで、学童保育で所長という監督ポジションを担ってきたゆゆは、野球と仕事も重なる部分があることを教えてくれた。「自分の仕事でも、長い目で職員を見て、いいところに目を向けながら育てていかないといけないと感じてきた。集合体としてどうしていくべきかを考えることも大事だけど、まずは個があっての集合体だから」(ゆゆ)。
そういえば、野球漫画『MAJOR』の主人公・茂野吾郎も、「自分と戦って、仲間と戦って、そして相手と戦って勝つ! そこで全員が苦しんで流した汗の分だけチームワークは生まれるんだ!」と、チームはそもそも個の集合体であることを力説していた。
もしかしたら監督女子が長い時間軸の中で養った野球選手の見方、野球チームの見方というのは、そのまま日常生活のヒントになるものがあるかもしれない。
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(Full-Count編集部)