低い援護率の中日柳、DeNA助っ人は選球眼UP セイバー指標で選ぶセ月間MVP

阪神・佐藤輝明【写真:荒川祐史】
阪神・佐藤輝明【写真:荒川祐史】

オースティンはOPS&出塁率で1位、“月間新人王”は虎ドラ1佐藤輝

【打者部門】

 打者評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりも、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。

各チームのwRAA上位3人は以下の通り。
阪神:佐藤輝明6.32、サンズ6.00、近本光司4.64
巨人:岡本和真4.09、吉川尚輝3.92、坂本勇人3.80
ヤクルト:塩見泰隆6.07、サンタナ5.11、オスナ3.96
中日:ビシエド3.89、阿部寿樹2.41、木下拓哉1.79
広島:菊池涼介1.61、田中広輔1.57、松山竜平1.56
DeNA:オースティン11.50、佐野恵太5.43、ソト4.75

 巨人の坂本勇人は5月の出場試合数6、打席も25だが、打率.364、OPS1.235とずば抜けた成績を残した。攻守の要である坂本の離脱は巨人にとって大打撃だった。また広島の貢献度トップである菊池涼介の離脱は打撃、守備両面で痛手となった。

 5月に最もチームに貢献した選手はDeNAのオースティンだった。5月前半は3番、後半は4番を任され、出塁率.457、OPS1.068はリーグ1位。好調ベイスターズ打線の牽引役となった。選球眼が昨年から改善され、四球率が10.8%から13.9%と出塁率向上に一役買っている。

 よって、5月のセイバーメトリクスの指標によるMVP打者部門は、DeNAのタイラー・オースティン(wRAA11.50)を推挙する。

 OPS1.068、出塁率.457(いずれもリーグ1位)、長打率.610(リーグ2位)、打率.338、本塁打5(いずれもリーグ4位)

“月間新人王”は阪神の佐藤輝明を推挙することになるだろう。5月28日の西武戦(メットライフドーム)で放った3本塁打は強烈な印象を与え、月間本塁打6本はリーグ3位、長打率.630はリーグ1位を記録した。また、3-4月の成績と比較すると、各指標に成長の跡が見られる。

○3、4月
打率.245、OPS.780、本塁打7、出塁率.289、長打率.491

○5月
打率.301、OPS.985、本塁打6、出塁率.354、長打率.630

 三振率は37.7%から31.6%に。まだ30%台ではあるが、コンタクト率に改善が見られればさらなる飛躍も期待できるだろう。

3-4月に続いて推挙された中日・柳は多くの指標でリーグ1位に

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