勝負の分かれ目となった犠打失敗 鷹・工藤監督の思惑と代打を起用しなかった理由

ソフトバンク・松田宣浩【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・松田宣浩【写真:藤浦一都】

工藤監督は苦言「出たミスを取り戻せないようじゃダメだと僕は思います」

 だが、試合後の工藤監督が発した苦言の矛先はこのバント失敗ではなく、その後に向いた。

「ミスはあるし、クヨクヨしてしてもしょうがない。ミスが出たんなら自分で取り戻せ、と。出たミスを取り戻せないようじゃダメだと僕は思います。それが次の日じゃダメですよね。その日に打席があるなら何としてでも出ると、それくらい強い覚悟で臨まないといけないと思います」

 松田は8回に正面のゴロをキャッチできず、エラーを犯した。9回には先頭の代打・明石が死球で出塁し、打席を迎えたが、遊ゴロの併殺打に倒れた。チームの“元気印”であるベテランの姿に、珍しく指揮官も注文を付けていた。

 かたやヤクルトは7回無死二塁の場面で、太田に代えて起用された“ピンチバンター“の宮本がきっちりと一発で犠打を決め、これが中村の同点打に繋がった。たかがバント、されどバント。昨今、賛否が分かれる送りバントの成功と失敗が勝負の分かれ目だった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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