五輪辞退、苦渋の決断を下した台湾が2か月ぶりリーグ再開 有観客での開催目指す

五輪最終予選の開催、本戦出場もコロナで断念

 新型コロナウイルスの市中感染急拡大は、台湾代表の東京五輪への道も阻むこととなった。台湾では元々、CPBLが主導的な立場で、台湾を含め5チームが出場する東京五輪の世界最終予選を6月16日から20日まで、中部の台中市などで開催する予定であった。

 しかし、市中感染の拡大に加え、政府により、居留証(ARC)をもたない外国人の入国停止が決定、関係者はこうした状況下での大会開催は困難だと判断し、5月20日、スポーツ行政を担う教育部體育署が正式に開催返上を発表した。

 その後、世界最終予選はメキシコでの代替開催が決定したが、メキシコも台湾同様に感染状況が深刻であるなか、CPBLは出場選手の健康面を考慮し、大会への出場辞退を表明した。

 CPBLの蔡其昌・コミッショナーはかねてより、CPBL主導で最強のナショナルチームを結成し、地元ファンの大声援を背に最終予選で出場権を獲得、五輪では過去最高となる金メダルを目指す、と公言していた。それだけに、最終予選出場辞退については「断腸の思い」と悔しさをにじませた。

 CPBLによる出場辞退表明後、アマ球界を統括するCTBA(中華民國棒球協會)が、国内のアマ選手、米マイナー選手、FA選手らによりナショナルチームを結成、最終予選出場へ出場するプランを打ち出した。実際にコーチ陣や選手の選抜のほか、国内合宿の準備も行ったが、市中感染が拡大していた中、合宿を受け入れる地方自治体はなく、また開催地メキシコの防疫対策も十分に安心といえるレベルではなかったことから、結果的に出場を断念、野球競技台湾代表の東京五輪出場への望みは、完全に断たれることとなった。

リーグ再開へ向けた防疫対策

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