「プロで活躍する」「モノが違う」 大阪桐蔭OBが高校時代に確信した2人の選手

大阪桐蔭で2度甲子園に出場した謝敷正吾さん【写真:編集部】
大阪桐蔭で2度甲子園に出場した謝敷正吾さん【写真:編集部】

東北との準々決勝で1試合3発の大会タイ記録を樹立

 PL学園に勝利した大阪桐蔭はそのまま大阪大会を制して甲子園に出場した。東北(宮城)との準々決勝。平田は神がかっていた。1打席目で先制ソロを放つと、4回に2打席連続のソロ。7回に逆転2ランを放ち、チームをベスト4に導いた。1試合3本塁打は大会タイ記録だった。この日の朝、平田は宿舎で謝敷さんに、こう話していたという。「きょうは、できる気すんねんな」。謝敷さんは当時、「独特な人。大事な試合前に何を言っているんだろう」と思っていた。ところが、平田は予感通りに3度もアーチを描いた。

 謝敷さんが「プロに行く」と確信したもう1人の選手が、1年後輩の中田だった。「モノが違う。全く歯が立たなかった」。プロで活躍する中田の姿を見れば想像できるが、スイングする力の強さは入学当初から別格だった。

 平田も中田も高校時代、豪快なスイングで本塁打を量産した。だが、謝敷さんの記憶に残っているのは、走塁や配球への意識。センター前への安打で二塁を狙う。バッテリーの集中力が切れる場面でディレードスチールを仕掛ける。

「次の塁を奪えるのは足の速さではなく、常に先を狙っているかどうかの違いだと知った。3ボールからスイングするのは4番だからではなく、打てる確率が高いからという感覚も自分にはなかった」。恵まれた体格や天性の長打力だけに頼らなかったからこそ、平田らはプロで成績を収めているのだろう。

【第1回】大阪桐蔭で強力打線を形成し2度の甲子園 謝敷正吾さんが社会人で味わった挫折と現在地
【第2回】V候補横浜を撃破した15年前の夏 駄目押し3ランの大阪桐蔭主砲が衝撃を受けた打球

(間淳 / Jun Aida)

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