衝撃だった19歳・大谷翔平の“劇的進化” 元日本ハム2軍監督が回顧「こんなに変わるのか」

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】
エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

早く、着実な進化に驚き「日本にいるときはあんなに振れていなかった」

 エンゼルス・大谷翔平投手の歴史的なシーズンが続いている。今季は登板を重ねながら本塁打を量産。元祖“二刀流”のベーブ・ルースになぞらえられるような働きを見せている。7月のオールスターゲームでは、ルールを変えてまで史上初の投打での出場を果たすなど、影響力は日に日に大きくなるばかり。元日本ハム2軍監督の田中幸雄氏も、その活躍に驚かされた1人だ。

 田中氏は、大谷と共に日本ハムに在籍した時期がある。2013年に入団してきた大谷への第一印象は「あれだけ背が高いと、普通はどこかに鈍い部分があるもの。でもそんな感じがない。内野も外野もできそうだし、身体能力が無茶苦茶高い」というもの。大谷は身長193センチ。長身選手への固定観念を崩してくれそうな存在だった。

 そして、日々進化し続ける姿も印象深い。「1年目と今なんて数段違いますよ。日本にいるときはあんなにバットを振れていなかった」。“パイオニアになりたい”という夢を叶えるために日本ハムが用意したのが、投打二刀流という道だ。投手と打者の両方で、プロレベルの活躍を見せなければならなかった。高卒1年目から投手として3勝、打者としては外野を守り3本塁打。じきに野手出場時のポジションがDHに定まり、2年目は投手として10勝、打者として10本塁打。自身の成長と、周囲の理解が深まるとともに、突き抜けた数字を残し始めた。

 しかし、大谷にも1日は24時間しかない。他の選手と同じ時間で、投手と打者、両方の練習をしなければならない。誰も経験してこなかった道を作る苦労は想像に余りある。田中氏は「チームに与えられたトレーニングは半々かもしれませんが『今は投打のどちらを鍛えるべきか』を考えて、自主練習で調整していたはずですよ」。そうでなければ、これほどの急成長はありえない。

 工夫を重ね、どんどん変わっていった。打撃フォームも「日本にいた時は、大きく足を上げて打っていましたからね。米国でスピードがある投手と当たると、それでは間に合わないとなった。今は1回右足に体重を乗せてから、反動を使うような感じで打っていく。常に微妙に変わっています。少し打てなくなると変わる、という繰り返し」。研究熱心で、変化を恐れないのだ。

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