4試合で3完投、ロッテ小島“覚醒”の裏にトレードの存在… データが明かす劇的変化

捕手の変化に伴い、勝負球のバランスにも変化が生じている

 最後に、2021年の結果球における球種の割合を、中断期間前の7月14日以前と、7試合中6試合で加藤とバッテリーを組んだ8月18日以降の2つの期間に分けて見ていきたい。

ロッテ・小島和哉の結果球における球種の割合【図:パ・リーグ インサイト】
ロッテ・小島和哉の結果球における球種の割合【図:パ・リーグ インサイト】

 持ち球の多彩さも特徴のひとつで、結果球だけを取っても、ストレート、カットボール、チェンジアップ、スライダー、ツーシーム、カーブを投げ分けている。前半戦では速球の割合が約50%、カットボールとチェンジアップがそれぞれ約20%と、この3球種を軸に投球を組み立てていたことがわかる。

 それに対して、後半戦ではストレートの割合が約6%少なくなり、スライダーの割合も8.1%から4.7%と減少。その代わりにツーシームの割合が10%以上も増加しており、比率が大きく変わっていないカットボールとチェンジアップに次いで多投する球種となっている。

 奪三振率は年間を通してほぼ変化していない面を考えると、成績の良化は四球を出す割合の低下と、打たせて取る投球の精度向上によるところが大きいと考えられる。ツーシームをより多く使用するようになったことが、その一助となっている可能性は十分にあるだろう。

チームに不足している“完投できる先発”として一本立ちを果たせるか

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY