なぜ大谷翔平はいつもニコニコしているのか? “幸福感”の理由をマンダラ考案者が分析

原田教育研究所を主宰する原田隆史氏【写真:荒川祐史】
原田教育研究所を主宰する原田隆史氏【写真:荒川祐史】

いつもニコニコ、大谷翔平の笑顔を生む“絆”の存在

 スポーツの目的を変えるとはどういうことか。これまでのように、試合に臨むにあたって「敵をやっつけよう」という考え方でいると、脳内では興奮状態を作るドーパミンが分泌され交感神経系が働く。「日本のスポーツ選手の引退が早いのは、ドーパミン優位でいすぎるからですよ」。勝ち続けた選手もあるとき燃え尽き、自律神経失調症やうつ病に陥るケースが多いという。

 一方で「好きだから、仲間によろこんでもらいたいからやりたい」という考え方だと、精神を安定させるオキシトシン、セロトニンが分泌され副交感神経系が働く。興奮とリラックスをうまく混ぜていくので、並外れた集中力を発揮できる“ゾーン”に入って結果も出る。さらに、成功体験から幸福感がでてくるのだと言う。いつもニコニコして、楽しそうにプレーしている大谷の姿とダブらないだろうか。

「さらに絆というか、多くの方に助けてもらうことを考え出すと、セロトニンが分泌されます。大谷翔平がチームを作ってハードにやっているのは、脳神経学から言っても正しいのです」

 大谷は高校時代に計16枚のマンダラを書いた。その最後の1枚は、メソッドを考案した原田氏もうなるほどの完成度を誇る。それぞれの目標に対して、栄養面は母・加代子さん、技術面は花巻東高の佐々木洋監督などと、達成に導く責任者を明記していたのだ。意図したことではないのかもしれないが、成功へのチームと、皆が幸福になるシステムを作り上げていた。

長時間練習の弊害「人間には防御本能があるので…」

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