2軍監督はキャンプ、OP戦でどこを見る? 巨人原監督“参謀”が語る選手の見極め

巨人で内野手・指導者として活躍した岡崎郁氏【写真:中戸川知世】
巨人で内野手・指導者として活躍した岡崎郁氏【写真:中戸川知世】

2軍監督のチェックポイント「打者の場合は選球眼」

 同じキャンプ、オープン戦期間中でも、立場が2軍の指導者となると、その仕事は大きく異なる。「1軍の選手枠は31人だが、2軍は育成選手を含めると50人以上もいて、2軍内でも実力差が大きい。選手の力量によって教え方が変わる。高卒ルーキーは“ロー発進”で行こうとか、3、4年目の1軍予備軍には少し鞭を入れてハードに追い込んでみようとか……」と説明する。

 2軍のオープン戦で岡崎氏が最初にチェックしたポイントは、打者の場合は選球眼だった。「1軍と2軍の一番の差は、ストライクからボールになる変化球の精度にあるからです。打者はストライクを打っている分には1軍も2軍もそれほど変わらず、ボール球を振らされずに見極められるかどうかが決め手になる」。前年に比べて成長が見られれば、大いに期待が持てるわけだ。

 2軍の場合はイースタン・リーグの公式戦が始まっても、並行してキャンプ同様のチーム練習が継続される。「あくまで“リング”は1軍。2軍は勝負に勝つことではなく、勝負に使える選手を育成することが目的」という事情があり、長いスパンで選手を見守る。岡崎氏は巨人で2006年から07年に2軍打撃コーチ、2008年に2軍ヘッド兼内野守備走塁コーチ、2009年から10年は2軍監督、2013年から15年には2度目の2軍監督を務め、いずれも原監督第2次政権時代だった。

「コーチというものは、監督の手足。基本的に異を唱えることはない」と肝に銘じてきた岡崎氏は、選手、指導者、フロント時代を合わせて通算33年間在籍した巨人を昨年限りで退団した。原監督は2019年から“第3次政権”を樹立し、1軍ヘッドには元木大介氏(兼オフェンスチーフコーチ)、2軍監督には二岡智宏氏が就いている。そこには変わらない流儀が脈々と受け継がれている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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