アカデミーコーチも経験 元楽天の鉄平さんが伝授する「プロ野球選手の育て方」

楽天などで活躍した土谷鉄平氏【画像:(C)PLM】
楽天などで活躍した土谷鉄平氏【画像:(C)PLM】

大事なのは自分に合ったものを吸収していくこと

 子どもに「プロ野球選手になりたい!」と言われたら。答えはとてもシンプルです。まずはその夢を応援してあげる。ただ、どの程度サポートしていけるかなど、家庭によってさまざまな形があると思います。できる環境、できない環境は家庭によってさまざまなので一概には言えないですけど、自分の子どもが野球選手に限らず、将来こうなりたいという「目標」を立てることができた。「夢」を持つことができた。まずはその事実に賛辞を贈ってほしいです。

 言うか言わないかは別として、「プロ野球選手? 無理でしょ」と思う親御さんは多いと思います。絶対にそれは心の奥底に閉まって、子どもたちの背中を押してあげてください。仮に親から反対されても、子どもたちには諦めずに突き進んでほしい。やると決めたらその目標に向かって走る。親の意見が変わるくらい、努力している姿を見せましょう。

 保護者ができるサポートとしては、まずは環境を整えてあげること。お金もかかってきますけど、野球塾を探す、12球団のベースボールアカデミーに連れて行くなど。少しでも多く子どもが野球に携われる環境をつくってあげることが重要です。今の時代だと、動画を探してくるのも一つの手ではあります。こういうのがいいよと見つけてきて一緒に実践できればなお良い。こんな形で一緒に歩んでいけると、子どもも気持ちが乗っていきます。

 気を付けてほしいのは、「こうしなければいけない」というやり方はあまり無く、全てはやり方の一つであること。ある程度似た意見もあれば、右打者と左打者で全く違う意見もある。さまざまな人の意見があり、「方法の一つとして発信している」という意識を忘れないことです。これだけ情報量が多い世の中だと、試しすぎるのも危険です。情報を得るのは決して悪いことではありませんが、全てを信用せず、自分に合ったものを吸収していく。憧れの選手に近付こうとするのではなく、1人の野球人としてその技術を取り入れて完成させていくイメージです。材料の一つとして情報を取り入れてください。

 有名なプロ野球選手の中には、小学校くらいから「なりたい」じゃなくて「なる」と明確に目標設定していた人もいます。それができればいいですが、一段階手前の部分があります。本当にベタな言い方ですが、「楽しむ」こと。ただし今回は「プロ野球選手になりたい」というテーマなので、勝つことを楽しむとか、技術が身に付く、上達することが楽しいとか。プレーすること自体が楽しいというよりは、もう一つレベルアップした楽しみ方。このようなマインドになれると良いと思います。

「なりたい」から「なる」に意識を変えることで目標に近づく

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