佐々木朗希の攻略は「まず球数投げさせろ」 元燕の名手が説く“野村ID”的アプローチ

セーフティバント、タイム、立ち位置を変える…「あらゆる手を使う」

 ファウルにもできないとなれば、打者は佐々木朗にどう立ち向かえばいいのか。飯田氏は「セーフティバントの構えをしたり、実際にやったりして、投球フォームのバランスを崩させる。あるいはちょっとずるいですが、タイムを取って間を外す。気持ち良く投げさせてはダメ。リズムを変えるために、あらゆる手を使うべきだと思います」と言う。

 投手に余計な神経を使わせるためなら、打席中に投手方向へ出たり、捕手方向へ下がったり、ホームベースへ近づいたり、離れたりと、立ち位置を変える手もある。「僕も現役時代、カウント3ボールから四球狙いで立ち位置を変えたことがあります」と飯田氏。その時は相手捕手から「変なことをするんじゃねえよ」と声が飛んだそうだが、「相手が気にしている証拠。それで良かったんですよ」とうなずく。

 10日の佐々木朗は105球中、ストレートが64球を占め、変化球はフォークが36球、カーブが3球、スライダーが2球だった。「普通は割合の高いストレートにタイミングを合わせた上で、変化球にも対応しようとしますが、佐々木朗に限っては、比較的球速の落ちるフォークに合わせるのも手かもしれません」とも飯田氏は見た。

 佐々木朗が好調だった場合、データや投球フォームの癖から球種を探ることもほとんど無意味だ。飯田氏は「オリックスの打者がストレートに狙いを絞って打っても、前へ飛んでいなかった。傾向もへったくれもない。データを上回る投球でした」と脱帽した。

 今季、毎週日曜日に先発してきた佐々木朗の次回登板は、17日の日本ハム戦(ZOZOマリン)と予想される。「球界屈指のミートの巧さを誇る近藤(健介)君との対決が今から楽しみです」と飯田氏。「いつかは全アウトを三振で取る、1試合27奪三振を見てみたい」とも。20歳の“令和の怪物”が次に何をやってのけるのか、もはや想像もつかない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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