野球の適正ポジションは「遺伝子」で決まる? プロも受ける“日本初”の検査とは

「面白くない、分からない、出来ない」を解消し、野球人の流出阻止を

 加藤トレーナーは、神港学園で選抜ベスト8、中央学院大では全日本大学選手権に出場。川崎製鉄千葉製鉄所(現JFE東日本)では同期入団で元阪神の藤田太陽氏と共に都市対抗野球で準優勝し、輝かしい実績も残した。現役引退後は中・高校生から社会人まで複数チームで投手へ技術指導を行っている。

「今までの指導は感覚的なところが多かったのですが『間違っていたな』と感じた」と加藤トレーナー。甲子園サイエンスラボで、投球や打球の速度や角度を計測できるトラックマンを遺伝子検査の結果とともに用いることで、数値や科学的根拠に基づいた指導の必要性を実感した。

「この検査が浸透すれば、野球を『面白くない、分からない、出来ない』と感じて辞めてしまう子が減ると思います。保護者には毎日のご飯を通した身体作りに活かしてもらい、指導をするスタッフには選手の個性や身体の強弱を知ることで声のかけ方や怪我の予防に活かしてほしいです」

 甲子園球場近くに室内練習場を構える甲子園サイエンスラボでは、チームの垣根を超えて多くの球児がトラックマンや遺伝子検査などを用いた技術力向上に取り組んでいる。強豪校へと巣立っていく選手もいて、OBの活躍に頬を緩める加藤トレーナー。正しく理解すれば野球は楽しいということを、根拠ある指導で証明していく。

※野球遺伝子検査はDNAラボラトリーが提供するサービス「&DNA」を基に監修を行い提供している。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY