栗原や上林らが大怪我で離脱も首位に浮上 好調ソフトバンク打線がつながる要因とは?
三森&牧原大が1、2番に定着、中村晃や今宮が復調した
さらに、昨季は不振だった中村晃外野手と今宮健太内野手が復活。3年目の柳町達外野手が打率.317をマークし、昨季途中にトレード加入した中谷将大外野手も5月6日ロッテ戦の9回に放った起死回生の同点2ランを放つなど存在感を発揮。外野では新たな戦力の台頭が続いており、栗原や右アキレス腱断裂で離脱の上林誠知の穴を最小限にとどめている。
正捕手の甲斐拓也は打率は低いもののリーグトップの18犠打と上位打線につなぐ役割を全う。5月の月間打率.291と状態を上げつつある。
現時点ではまさに盤石といえる状態の打線だが、長いシーズンにおいては特定の選手が調子を落としたり、故障で戦線を離脱する可能性もある。しかし、仮に不測の事態が生じてもその穴埋めを期待できる存在が複数控えているという点も強みだ。
2020年の盗塁王・周東佑京内野手も長いリハビリを乗り越え、5月25日に1軍復帰した。松田も復調すれば上積みとなる存在だ。直近2年間はいずれもOPS.600台だが、2013年から9年連続で2桁本塁打を継続中。現状のチームに不足する長打力を補える存在でもある。
三森や柳町のような若手の台頭、中村晃や今宮といった黄金時代のチームを支えてきた選手の復調。昨季は故障者続出で苦しいシーズンを送ったホークスだが、今季は就任1年目の藤本博史監督のもと、若手、中堅、ベテランが噛み合った戦いを見せている。NPBにおけるチーム打率の最高記録は、2003年に日本一に輝いたホークスが記録した.297。今季の打線がその水準に近づけば、当然ながら2年ぶりのリーグ優勝もぐっと近づいてくる。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)