花火とともに消えた“交流戦連勝記録” それでも敵将を脱帽させたDeNA左腕の特殊球

三浦監督「スタイルを貫いて、攻めていってくれればいい」

 4回には2死満塁のピンチを背負ったが、紅林になんと5球連続でチェンジアップを投じて空振り三振に仕留めた。これには敵将のオリックス・中嶋聡監督も「打者としては手を出さずに我慢できたら一番いいが、なかなか難しい。素晴らしいボールですね」と脱帽した。

 一方で突如見せる制球難も浜口の“お決まり”だ。前述の4回2死満塁も、2死走者なしから杉本の右前打と安達、伏見への連続四球で招いたものだった。前回登板の5月26日・ソフトバンク戦では5イニングで7四球を与えながら1失点に抑え、勝利投手となった。三浦監督は「自ら出したランナーかもしれないが、そこで粘るのが浜口のスタイル。それで結果を出してきた投手ですから」と認めている。

 一般的に投手はバックが守りやすいように、味方の攻撃にも良いリズムを持ち込めるように、余計な四球を与えずに投球すべきと言われる。三浦監督は「そりゃ3者凡退でリズムよくいけるのが一番いいが、スタイルを変えるのはなかなか難しい。もちろん四球を出したくて出しているわけではない。要はいかに走者をホームに返さないか。彼のスタイルを貫いて攻めていってくれればいい」と話す。

 結果的に6回に許した杉本の決勝二塁打の背景にも、先頭の宗、続く中川圭への連続四球があった。「四球を与えてしまうのも、ピンチで踏ん張れるのも、どっちも浜口です」と指揮官。浜口自身は「調子自体は普通でした。全体的にチェンジアップにばらつきがあり、投手有利のカウントをつくれなかった」と振り返った。観る側もハラハラドキドキさせる投球が浜口の“持ち味”と考えて見守るべきなのかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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