鷹レイを完封に導いた甲斐の観察力と経験 専門家が評価する「イニングごとの変化」
中盤からはチェンジアップ、左打者にはカットボールで的を絞らせないリード
荒れ球がなくなってきた中盤からは低めのチェンジアップを多投、左打者には内角のカットボールを効果的に使い、的を絞らせない巧みなリード。投手の状態を早い段階で見極めながら序盤、中盤、終盤と試合を支配していった。
「速い直球とカットボールを意識させ、打者が両方をマークした所でチェンジアップ。押し引きと奥行を使った見事な配球でした。分かりやすく言えば緩急。上手くレイを引っ張っていった」と野口氏は目を細める。
対する阪神の先発・ウィルカーソンもボールが高めに浮き、先頭を出す苦しい投球。立ち直るきっかけが掴めないまま4回途中3失点で降板となった。対照的だった両チームの先発投手。「レイ自身の頑張りもあり、甲斐がそれを生かした。逆に言えば甲斐のおかげで立ち直った」。快投の裏には甲斐の観察力と経験に裏打ちされたリードがあった。