初代GMは阪神ファンの“日本通” 台湾新球団ホークスが参考にするNPBの成功モデル
GMは“日本通”、日本人指導者招聘やNPB球団との交流への期待大
3月30日に初代GMに就任した劉東洋氏は、台湾球界きっての日本通だ。関西大学大学院への留学経験があり、阪神タイガースのファン。帰国後の2006年にCPBLに就職、リーグ発行の月刊雑誌「職業棒球」雑誌の記者、編集長のほか、海外球界との連絡・折衝を行う国際グループのグループ長や、リーグのPRなどを行う宣伝推進部の主任などを歴任した。「職業棒球」誌でNPBに関するコラムを長期連載してきたほか、2021年シーズンまで「パ・リーグ インサイト」にて繁体字でパ・リーグの近況を伝える週1連載を執筆。中継の解説者を務めた経験もある。
日本語が非常に流暢で、国際大会やNPBとの交流の際は主にCPBLの日本担当窓口として活躍。日本球界およびメディア関係者からの信頼は厚く、幅広い人脈を持つ。NPB各球団の経営やプロモーションについても明るいことから、第6の球団をリーグをあげて支えていくことをかねてから表明してきた蔡コミッショナーの推薦もあり、初代GMに就任した。
劉GMは、日本ハムや楽天のフランチャイズ経営の成功モデルを、ハードルが高いと指摘される南部・高雄での球団経営の参考にしていきたいと話している。選手育成においても、客員コーチとして日本人指導者を招聘するプランを明らかにしている。劉GMは理想的な日本人指導者像として、かつて兄弟エレファンツ(中信兄弟の前身)で内野手の守備力強化に加えて高いプロ意識も伝え、すぐれた選手や指導者を多数生み出した榊原良行氏の名を挙げ、第二の「バラさん」となる指導者を招聘したいとしている。
台湾プロ野球では、前身のラミゴ時代から積極的にNPB球団との交流戦や交流イベントを行ってきた楽天モンキーズをはじめ、多くの球団が日本球界との交流を重視してきた。「日本通」である劉氏のGM就任により、各領域における日本球界、日本企業との交流、コラボレーションが実現しそうだ。