初代GMは阪神ファンの“日本通” 台湾新球団ホークスが参考にするNPBの成功モデル
独自トライアウトに元プロ25人含む466人参加、7・11にドラフト会議
第6の球団誕生を心待ちにしていたのはファンだけではない、プロを目指すアマチュア選手や再起を期す元プロ選手も同様だ。台湾では本格的な野球部がある高校は50校弱。プロ選手を多数輩出した高校となるとさらに限られるが、世代のトップクラス以外がドラフト指名対象となるためのハードルは高い。この6月に高校を卒業した選手はリーグ、あるいはいずれかの球団による推薦、もしくは出身高校の監督の推薦があれば指名対象となるが、大学生や社会人の場合、世代別大会を含む主要国際大会の代表経験を持たない場合、リーグや球団から推薦を受けるか、もしくは国内主要大会の投打各部門で成績上位3位に入らなければ資格を得られない。
これらの資格を持たない選手はドラフト会議前に行われる「CPBL新人トライアウト」に参加し、アピールしてリーグもしくは球団の推薦を得なければならない。ただ、このCPBLトライアウトで合格し、資格を得ても本指名される選手は少ない。
こうした中、TSGホークスは“ダイヤの原石”を発掘しようと、CPBL新人トライアウトとは別に独自の新人トライアウトを本拠地の澄清湖球場で開催した。大多数の選手にとっては貴重なアピールの機会。特にTSGは大量指名が予想されることから、トライアウトには720人が申し込み、書類審査通過者だけで473人と予想を超えるほどだった。そのため予定よりも1日増やし、6月13日、15日、16日の3日間、終日にわたって行われた。
最終的に元プロ選手25人を含む466人が参加。TGSホークスは今回のトライアウト実施にあたり、林統括コーチのほか6人のコーチを招いて審査を実施した。審査はフィジカルテストが40%、実戦テストが60%で、実戦テストでは投手は球速と回転数、打者は打球の初速と角度も計測された。
劉GMはトライアウト終了後、受験者の中から少なくとも30人をドラフト指名対象として推薦することを明かした。また、直接獲得が可能な元プロ選手については、伸びしろがある若手中心となる方針を示したが、経験豊富な選手もリーダーシップなどを考慮した上で獲得する可能性はありそうだ。
注目のドラフト会議は7月11日に行われる。アメリカや日本でプレーしていた代表クラスの大物が多数帰国した昨年に比べ、今年の候補者は全体的に小粒だ。いの一番の指名権をもつTSGの1軍参入は再来年ということもあり、将来性を重視しセンターラインの1位指名が予想されている。高校球界を代表するショートの曾子祐(平鎮高中)は有力候補の一人とされている。
(「パ・リーグ インサイト」駒田英)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)