1か月以上“連敗知らず”のヤクルトはなぜ強い? 専門家が評価する「隙の無いチーム力」
「山田はまだ本来の姿をみせていないが、それが気にならないぐらいチーム力がまとまっている」
若手、中堅、ベテランとメンバー構成のバランスも絶妙だ。チームは近年、遊撃手を固定できていなかったが高卒3年目の長岡がチームトップタイの71試合に出場し打率.251、4本塁打32打点。捕手でも、高卒2年目の内山が正捕手の中村が復帰してからもスタメンでマスクをかぶるなど38試合に出場。若い力が躍動するなか、経験実績の豊富な山田、ベテランの青木も奮闘している。
「二遊間はよほどの打撃がない限り、守りが重視される。その中で長岡が勝ち取り不安のないプレーを続けている。どのポジションを見ても個々の選手たちが、それぞれの仕事をこなしている。山田はまだ本来の姿を見せていないが、それが気にならないぐらいチーム力がまとまっている」
投手陣ではエース候補だった奥川の離脱は痛かったが、小川、石川が安定感ある投球を続け、左腕の高橋が一本立ち。昨年のリーグ制覇を支えたリリーフも好調を維持しており投打ともに隙は見当たらない。
「どれだけ好調でも一喜一憂しない。負けを引きずらない。いい切り替え、いい準備ができているからだと思います。これだけ投打のバランスが取れているチームは、なかなか大きな連敗はしない。首脳陣の持っていきかたもうまくいっている」
ヤクルトが連敗を喫したのは5月11日の中日戦(神宮)が最後。リーグ連覇に向けた快進撃はどこまで続くのか、注目が集まる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)