子どもへの過干渉は「成長を妨げる」 元楽天・鉄平さんが語る“保護者のサポート”

楽天などで活躍した土谷鉄平氏【画像:(C)PLM】
楽天などで活躍した土谷鉄平氏【画像:(C)PLM】

旺盛な食欲を満たしてくれた母の手料理「好みを尊重してくれた」

 プロ野球選手を夢見る子どもやその保護者に、中日、楽天、オリックスでプレーした鉄平さんが「プロ野球選手になる方法」を伝授する連載「教えて! 鉄平先生!」。第4回のテーマは「大人のサポート」。大人の役割は「最大限、環境を整えること」で“言い過ぎない”、“我慢して待つ”ことが必要だという。

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 子どもたちが野球をする上で、保護者や指導者といった大人の力は欠かせないと思います。自分自身も周りの大人の力がなければ、野球を続けるのも、プロになる目標をかなえるのも難しかったと強く感じています。子どもにとって最も身近な大人は親であるケースが多いと思います。自分が父親になり、息子が少年野球をするようになって、両親の苦労をあらためて実感するようになりました。私は小学生の時に地元の少年野球チームに入っていました。練習は週に5~6日。平日は学校が終わってから練習、土日祝日は朝から夕方まで丸1日練習か試合でした。

 まず、少年野球をする子どもを持つ親が直面するのが送迎です。私の両親は共働きで、どちらも平日はフルタイムで働いていました。土日の朝くらいはゆっくり眠りたいはずですが、早起きして試合会場まで主に父が車で送ってくれました。場所によっては片道1時間以上かかるところもあります。当時はカーナビがなくて地図頼みだったので、初めての球場に行く時は早めに家を出ることもありました。

 3つ年上の兄も野球をしていたので、両親が手分けをして送迎するケースもあります。母は家族の中で一番早く起きて、息子2人分の弁当を作るわけです。試合が終わって自宅に戻るのは夕方、夜になります。母はそこから掃除、洗濯、夕食の準備を同時に進めます。ユニホームを洗っている間に、掃除をして、買い物に行って食事を作ります。

 私は食欲があるタイプだったので、食事の用意は大変だったと思います。肉を中心に、丼2~3杯くらいのご飯を食べていました。子どもの頃は偏食で魚や野菜が苦手でしたが、私の好みを尊重して上手くバランスを取って作ってくれました。好きな物を減らして食べる量自体が減ってしまうよりも、好きな物をたくさん食べて苦手な物も少しずつ食べられるようにする方法です。

 苦手な食べ物が多すぎると箸が進みません。大人になって食べ物の好き嫌いはなくなったので、当時の食事が良かったのだと感じています。苦手なものは量が少なくても構わないので、子どもの頃から何でも食べるようにすると、苦手意識はなくなります。

母の苦労を実感して感謝の気持ちが湧いた高校時代

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