少年野球の投手も身に付けたいクイック 元巨人の守護神が明かすコツは「7対3」
NPB470登板の西村健太朗氏はジャイアンツアカデミーのコーチを務める
コツは“7対3”。元巨人投手で現在はジャイアンツアカデミーのコーチを務める西村健太朗さんは、小学生世代でもクイック投球を習得する必要性を感じている。クイックを苦手にしている子どもたちに伝えているのは、両足に乗せる体重の割合。軸足「7」に対して踏み込む足「3」の割合で体重を乗せると、バランス良く投げられるという。
2013年に最多セーブのタイトルを獲得するなど、NPB通算470試合に登板した西村さんは現在、古巣のアカデミーでコーチをしている。昨年末に開催された小学生の軟式野球大会「NPB12球団ジュニアトーナメント」では、ジャイアンツジュニアの監督を務めた。
アカデミーでも、選抜した選手を指導するジャイアンツジュニアでも、西村さんが投手に求めるのはクイック。小学生の試合では盗塁が多いため「捕手の肩が強くても、投手はある程度クイックをできないと試合運びが難しくなってしまいます」と話す。
西村さんが投手を始めたのは、シニアでプレーしていた中学2年生の時だった。小学生の時はソフトボールで捕手をしていた。投手となって最初にクイックを教わったこともあって、クイックやセットポジションを苦にしたことはないという。クイックになると球速が落ちたり、制球を乱したりする子どもたちに伝えているのは両足に体重を乗せる割合だ。
「動作を速くしようとして、右投手であれば左足が着地する前に投げてしまう選手が多いです。セットポジションに入った時に両足に乗せる体重の割合が5対5になっていると、体が前に突っ込んでしまい、クイックが上手くいきません」
西村さんが理想とする体重の割合は「7対3」。右投手の場合、軸足となる右足に体重の7割を置き、左足を3割にする。感覚を身に付けたり、フォームを固めたりするための練習では「8対2」にして投げるよう勧め、「軸足に体重が乗った状態でステップして投げれば、投球する腕がスムーズに上がります。クイックだから速く投げなければいけないと考えると、フォームがバラバラになってしまいます」とポイントを挙げる。
クイックは走者を塁に釘付けにし、ピンチ拡大を防ぐ有効な手段。投球動作を急ぐのではなく、軸足に体重の7割を乗せて踏み込む足を上げる高さを低くすれば、自然と理想的なフォームとなる。
(間淳 / Jun Aida)
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